十王
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十王（じゅうおう）は、十王経に説かれる十王信仰に基づく冥途の十人の裁判官である。恵心僧都源信の「往生要集」にも記されている。
人間を初めとするすべての衆生はよほどの善人やよほどの悪人でない限り、中陰と呼ばれる存在となり、初七日～七七日（四十九日）及び百か日、一周忌、三回忌には十王の裁きを受けることとなる。
十王の裁判の裁きは特に五七日の閻魔王の宮殿にある「浄玻璃鏡」に映し出される「生前の善悪」を証拠に推し進められるが、ほかに「この世に残された遺族による追善供養における態度」も「証拠品」とされるという。
なお、十王の審判に限らないが、浄土真宗では、往生者はみな極楽浄土に往生したものとみなすため、この種の追善供養は行われない。（「歎異抄」には、宗祖と目される親鸞が「父母のためにと思って念仏を唱えたことは一回もない」と述べたと記されている。）
[編集] 十人の裁判官（並びに本地とされる仏）
- 初七日（七日目） 秦広王（不動明王）
- 二七日（十四日目） 初江王（釈迦如来）
- 三七日（二十一日目） 宋帝王（文殊菩薩）
- 四七日（二十八日目） 五官王（普賢菩薩）
- 五七日（三十五日目） 閻魔王（地蔵菩薩）
- 六七日（四十二日目） 変成王（弥勒菩薩）
- 七七日（四十九日目） 泰山王（薬師如来）(※1)
- 百か日（百日目） 平等王（観世音菩薩）
- 一周忌（一年目） 都市王（勢至菩薩）
- 三回忌（三年目）(※2) 五道転輪王（阿弥陀如来）
(※1)「泰山府君」は「閻魔王」とこの「泰山王」とが混同による信仰を得たものである。
(※2)「三回忌」は「三年目」ということになってはいるが、実際に追善供養が行われるのは二年目である。死亡の年も「一年」として数えるためである。これはいうまでもなく仏教での話であり、神道でのこれに該当する「三年祭」は実際に三年目に行われる。
[編集] 参考「十三王」
以上の十人に七回忌・十三回忌・三十三回忌を担当する以下の裁判官を加えて「十三王」とすることもある。
（※3）「閦（シュク）」は機種依存文字。
[編集] 関連項目
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