北京国際マラソン

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ANA北京国際マラソン（えいえぬえい・ぺきんこくさい-）は、毎年10月に北京で開催され、中国陸上競技連盟が主催し、北京体育局および北京市当局が公認するマラソンの国際大会である。

10月の北京は気候がよく、例年レース中の平均気温は11~18度程度であり、またコースも比較的平坦なので、高速タイムが出やすいマラソンコースといわれている。男子の大会記録は、1986年大会で日本の児玉泰介選手と、1988年大会でエチオピアのアベベ･メコネン選手がそれぞれ出した2時間7分35秒。また女子の大会記録は、2003年大会で中国の孫英傑選手の出した2時間19分28秒で、こちらは現在世界歴代第5位の記録である。

コースは、天安門広場をスタートとして、選手達は北京市内を巡ったあと、オリンピック公園内のゴールに飛び込む。また、男女の選手達は、時間差を設けた上で、同じコースを同時にレースする。北京の道路は道幅が広いため、細い道路になれた選手には、景色の動きが遅く、自分が遅く走っているように思えるという。

過去日本人ランナーは、この大会で好成績を残している。1985年の第5回大会では、宗茂･宗猛兄弟が同タイムで1位と2位に入り、翌1986年の第6回大会では児玉泰介が2時間7分35秒の記録で優勝。日本記録を大幅に更新するなど、日本勢は合計5回の優勝を誇っている。なお、1988年第8回大会では、2位に入った谷口浩美が2時間7分40秒で、当時の日本歴代2位の記録をマークした。

また、女子のレースは1989年第9回大会から始まったが、2002年第22回大会から2005年第25回大会まで、マラソン世界歴代第5位の記録を持つ中国の孫英傑がこの大会4連覇を達成している。2005年大会の翌日、南京で行われた全国運動会の10000mで、孫選手はドーピングで失格し、その後のレースは出場停止とされたが、全国運動会のマラソンを兼ねた北京国際マラソンのドーピング検査は合格で、優勝も取り消されていない。

また、2005年第25回大会では、先頭を独走していたケニアのベンソン・チェロノ選手（男子）の前にいた中継車が、ゴール直前にコース通りに走らず、選手の誘導もうまく行われなかったため、チェロノ選手がコースのおよそ800m分をショートカットしてしまった。結局チェロノ選手と後続の選手とのタイム差と、選手本人にはなんら責任がなかったことを考慮して、チェロノの優勝は有効とされ、800メートル分の所要時間を計算して参考記録が発表されたが、国際的なルールに照らせば失格であり、運営方法にも決定にも問題があると批判をあびた。

[編集] TV放送

2005年大会からTBSテレビ・JNN系列28局とBS-iで同時衛星生中継している。

2006年大会出演者
- キャスター/中井美穂
- 実況/中村秀昭、椎野茂、佐藤文康(TBSアナウンサー)
- 解説/金哲彦、澤木啓祐

[編集] 男子・歴代優勝者

回	年	優勝者	所属	タイム
1	1981	シェル・エリクスタール	スウェーデン	2時間15分20秒
2	1982	李宗亨	朝鮮民主主義人民共和国	2時間14分44秒
3	1983	ロン・タブ	アメリカ合衆国	2時間18分51秒
4	1984	喜多秀喜	日本・神戸製鋼	2時間12分16秒
5	1985	宗茂	日本・旭化成	2時間10分23秒
6	1986	児玉泰介	日本・旭化成	2時間07分35秒
7	1987	ジュマ・イカンガー	タンザニア	2時間12分19秒
8	1988	アベベ・メコネン	エチオピア	2時間07分35秒
9	1989	ペテル・ダール	デンマーク	2時間12分47秒
10	1990	ペテル・ダール	デンマーク	2時間14分55秒
11	1991	ネガシュ・デュベ	エチオピア	2時間12分55秒
12	1992	泉宣広	日本・ダイエー	2時間11分29秒
13	1993	胡剛軍	中華人民共和国	2時間10分57秒
14	1994	胡剛軍	中華人民共和国	2時間10分56秒
15	1995	孟憲輝	中華人民共和国	2時間16分22秒
16	1996	ネルソン・ヌデレバ	ケニア	2時間10分37秒
17	1997	金中元	朝鮮民主主義人民共和国	2時間13分49秒
18	1998	金中元	朝鮮民主主義人民共和国	2時間13分49秒
19	1999	鈴木賢一	日本・富士通	2時間11分33秒
20	2000	ネルソン・ヌデレバ	ケニア	2時間13分52秒
21	2001	宮科	中華人民共和国	2時間10分11秒
22	2002	李柱宏	中華人民共和国	2時間13分09秒
23	2003	イアン・シスター	南アフリカ共和国	2時間07分49秒
24	2004	ジェームス・モイベン	ケニア	2時間10分42秒
25	2005	ベンソン・チェロノ	ケニア	2時間09分15秒(参考記録)
26	2006	ジェームス・キプサング	ケニア	2時間10分36秒
27	2007	ネファト・キニャンジュ	ケニア	2時間08分09秒

[編集] 女子・歴代優勝者

回	年	優勝者	所属	タイム
9	1989	ムン・ギョンエ	朝鮮民主主義人民共和国	2時間27分16秒
10	1990	黎葉梅	中華人民共和国	2時間32分14秒
11	1991	デボラ・ノイ	イギリス	2時間35分18秒
12	1992	謝麗華	中華人民共和国	2時間28分53秒
13	1993	黎葉梅	中華人民共和国	2時間30分36秒
14	1994	王軍霞	中華人民共和国	2時間31分11秒
15	1995	任秀娟	中華人民共和国	2時間30分00秒
16	1996	任秀娟	中華人民共和国	2時間27分13秒
17	1997	王艶栄	中華人民共和国	2時間28分50秒
18	1998	王艶栄	中華人民共和国	2時間28分50秒
19	1999	艾冬梅	中華人民共和国	2時間29分20秒
20	2000	魏亜南	中華人民共和国	2時間26分34秒
21	2001	劉敏	中華人民共和国	2時間23分37秒
22	2002	孫英傑	中華人民共和国	2時間21分21秒
23	2003	孫英傑	中華人民共和国	2時間19分39秒
24	2004	孫英傑	中華人民共和国	2時間24分11秒
25	2005	孫英傑	中華人民共和国	2時間21分01秒
26	2006	孫偉偉	中華人民共和国	2時間34分41秒
27	2007	陳栄	中華人民共和国	2時間27分50秒