冶金学
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冶金学(やきんがく、英語:metallurgy)とは、主として鉱石から金属を抽出させる方法を研究し、さらに抽出した金属の精錬、合金の製造、金属の物理的・化学的性質をも研究する学問のことである。冶金とは、鉱石からの金属の抽出(精錬および製錬)と金属の加工に関する技術のことである。
日本で初めて「冶金学」という名前が付いたのは、東京大学理学部採鉱学科が東京大学理学部採鉱冶金学科となった1880年である。民間研究機関としては、日立金属の冶金研究所の設立が1934年と現存する研究機関では最古である。
最近では、冶金学は金属工学(材料工学)と呼ばれる。ちなみに、英語では冶金学・金属工学どちらともen:metallurgyと呼ぶ。冶金学は、金属工学となったものの、根強く使われており、漢字大国中国でもこの用法が主流なため改変は早計であったとの見方も出ている。
[編集] 冶金学の分野
冶金学を分類すると以下のようになる。
- 金属精錬(extractive metallurgy)…冶金という意味合いが強い。鉱石から金属を精錬し、純度の高い金属を得ることに関する分野。
- 金属加工(mechanical metallurgy)…金属の機械的加工に関する分野。鋳造・圧延・線引きなど。
- 粉末冶金(Powder metallurgy)…金属粉末に関する分野。
- 金属材料(alloy metallurgy)…合金、物性測定、相変態、金属組織などに関する分野。
金属精錬を化学冶金、金属加工や金属材料を物理冶金とも言う。