入浴剤
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入浴剤(にゅうよくざい)は入浴の際に風呂へ投入することを目的とした物質のこと。大半が固体や液体・粉末である。
入浴剤の種類は、大きく分けて3つ存在する。天然の植物や漢方薬、温泉成分を取り出したもの、無機塩類化合物である。またこれら組み合わせた入浴剤も存在する。
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[編集] 植物・漢方薬に由来するもの
入浴剤の歴史としては最も古い。薬草などを体の治療目的で風呂に投入して入浴が行われていた。特に、漢方薬と薬草を組み合わせたものは、薬湯などと称され、江戸時代には皮膚病の治療目的で処方されていた。
日本では、端午の節句の菖蒲湯、冬至の際に柚子を入れる柚子湯など、健康を願う風習として植物などを風呂に入れられている。
大子温泉のりんご湯のように、温泉地の名物として、植物を風呂に入れる場合も存在する。
[編集] 温泉成分に由来するもの
湯の花が代表的である。湯の花を風呂に投入することで、遠方の人でも温泉の効能を味わうことができる。温泉地の土産としても一般的である。採集は、湯畑などで行われる。単体の硫黄もしくは金属の硫化物を含む湯の花は風呂釜を傷めるため、利用の際には事前に確認をする必要がある。
草津温泉、白老温泉などでは、温泉を加工して液体の入浴剤を製造する業者も存在している。特に草津温泉の入浴剤は、投入後風呂が白濁することから一部の温泉地で用いられ、温泉偽装問題発生のきっかけを作ったとされる。
[編集] 無機塩類化合物に由来するもの
日本国内における最も一般的な入浴剤であり、昭和初期に登場した。登場した当初、多くの人は銭湯に通っていて自宅の風呂を持っていなかったため、入浴剤としてだけではなく洗顔料としても宣伝されていた。
戦後各家庭に風呂が普及するにつれ、その種類も急速に増えていった。酵素を配合したもの、炭酸ガスを配合したものをはじめ、海や温泉を色のモチーフとした入浴剤など、多種多様なものがある。
家庭向けに出回っている、粉末タイプの入浴剤の主な成分は硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムであるが、白濁させたり、肌になめらかな感触を与えるたりするために、硫酸カルシウム・炭酸カルシウム・酸化チタンを含むものもある。炭酸ナトリウムを配合した製品は、湯に溶かした際二酸化炭素を発生し泡立つ。そのほか保温効果や健康を増進する目的で酵素や植物エキスを配合したものが多数発売されている。
一部の製品は、よく知られた温泉の名称を使っているが、その名称はあくまでイメージ的なものであり、成分とは関係がない。入浴剤で温泉を再現すると、成分に含まれる硫黄により風呂釜をいためてしまうため、ほとんど使用不可能である。また製品のなかには、主成分に関しては全く同じで着色料と香料だけを変化させているものもある。その色や香りも、製品に使われている温泉とは全く無関係である。
無機塩類化合物に由来する入浴剤は個人で作ることもできる。硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムの粉末を入手し、エッセンシャルオイルなどを自分好みに調合することでオリジナルの入浴剤が出来る。