個室ビデオ
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個室ビデオとはアダルトビデオをその場で鑑賞するための風俗店のこと。ビデオを鑑賞する為1人がやっと入れる程度の個室を多数設置している。ビデオボックス、また関西地方ではビデオ試写室と呼ばれる。レンタルビデオのように家に持ち帰ったり返却したりする手間が省け、また自宅で鑑賞するには都合が悪い人には、思い存分鑑賞することができ大変便利である。主に男性の性処理を目的とした店舗であるため、表にはカモフラージュ的に一般映画等のビデオを置くことで客が入りやすく配慮されている。アダルト専用のレンタルビデオ店の中に併設しているところもある。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)第2条第1項の6の三に定める店舗型性風俗特殊営業店の通称で、性的なサービスを提供するいわゆる風俗店の一種である風適法第2条第1項の6の三では「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法 (昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項 に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業」と定義されており、興行場法第1条第1項に定める興行場としての条件も満たす必要がある。
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[編集] サービス内容
[編集] 通常
料金は時間制で好きなビデオを数本選び指定の個室に持ちこんで鑑賞する。一人がやっと入れる程度の部屋にビデオ再生装置(VHSビデオデッキ、DVDプレーヤー等)と小型テレビと椅子があり、椅子に座り備え付けのヘッドホンを付けて鑑賞する。リモコンもあるので自由に鑑賞できる。個室の中は通路からは見えず、精液処理用のティッシュなども設置されているため、客は周囲を気にせず自慰行為をすることができる。
女性でも利用可能な店舗も存在するが男性客の心情を配慮し女性の入店を店舗側が断るケースが多い。
このような基本的なサービスのみの個室ビデオ店の利用料金は昔は30分~1時間で総額1000円程度だったが、現在は都市部の個室ビデオ店の利用料金は1時間500円程度の店舗が中心。郊外は未だに1時間で1000円前後の店舗が多い。 オプションでオナホールなどを販売しているが店で買うよりも安い金額で購入する事が出来る。ひまつぶしパラダイス・宝島24ではオナホールなどが無料サービスで提供される。
[編集] ナイトコース
最近ではおおよそ深夜の時間帯(pm11:00)から朝まで連続利用できるナイトコースがある店舗がスタンダードになってきた。無い店舗の方がめずらしく、おおよそ2000円程度の利用料金で平均8時間は滞在出来る。キャッツなどの大型店舗では10時間1500円程度のナイトコースが中心となっており終電を乗り過ごした人がカプセルホテル代わりに使用し重宝されている。
[編集] 性的サービス
店舗によっては視聴時間中に女性の従業員が個室を訪れ、別料金で胸を揉ませたり客に短時間の手コキ(男性器へのマッサージ)やフェラチオなど行い射精を促すサービスをするところもある。これらの最低料金は視聴時間45分(内手コキ15分)で総額3000円程度、手コキをフェラチオに変更した場合で総額5000円程度が多く、非常に割安であるため最も安い風俗として人気が高い。また、さらに追加料金で従業員が服を脱いだり、足コキ・顔面騎乗など他のサービスを提供するところもあるが、基本的に客側は性器への軽い愛撫程度までしかできない。
女性の仕事内容としては、他の風俗店と比べ抵抗感が少なく、短時間で多く稼げるアルバイトとして人気がある。そのため他の風俗店と比べると比較的若く容姿端麗な従業員が多いとされる。
[編集] 問題点
- 基本的に性的サービスは無許可営業であるため、これらのサービスを行っている店舗はしばしば警察のガサ入れ・取り締まりを受ける。
- 安いのはあくまで基本的サービスのみであり、オプションを増やしすぎるとかえって高額になってしまうことがある。
- 営業実態として簡易ホテルといえる店舗がある。しかし大半が雑居ビルの小規模営業であり、防火・避難設備が十分でない。法的にはホテルではないため当局の規制も緩く、火災が発生した場合、特に就寝時の危険性は高い。
- 個室内に店舗側、または外部の者によって隠しカメラが設置されていることがある。単に客の問題行動をチェックするために設置されているだけの場合もあるが、主に性的サービスなしの店舗において自慰行為にふける客の姿が録画され、ゲイ向けのオナニー盗撮ビデオとして流出する例が問題になっている。そのビデオには、客の性器がはっきりと映り、しばしば射精の瞬間まで撮られている場合がある。タイトルに「プライバシー侵害」と書かれているものもあり、悪意がはっきりと認められる。