伊東多三郎
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伊東多三郎(いとうたさぶろう、1909年2月10日 - 1984年10月29日)は、20世紀に活躍した新潟県出身の歴史学者である。専門は日本近世史。研究分野は、近世の文化史・社会史から政治史に、そして経済史にまで及ぶ広範囲なものであった。この他、自治体史編纂にも積極的に取り組み、『水戸市史』『小千谷市史』『新潟県史』の編纂に関わった。
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[編集] 経歴
伊東多三郎は、明治42年(1909年)に新潟県古志郡富曽亀村亀貝(現・長岡市亀貝町)に伊東三次郎の長男として生まれた。大正10年(1921年)旧制長岡中学入学、大正14年(1925年)旧制新潟高等学校文科乙類入学、昭和6年(1931年)に東京帝国大学文学部国史科を卒業し、大倉精神文化研究所の嘱託となる。翌7年(1932年)に卒業論文『国学の史的考察』(大岡山書店、1932年)を刊行し、東京帝国大学文学部史料編纂所の嘱託となる。昭和29年(1954年)4月東京大学史料編纂所の教授となり、昭和44年(1969年)3月に停年退官した。同年5月東京大学名誉教授となる。昭和59年(1984年)10月に死去した。
[編集] 論文・著書・編著
[編集] 著書
- 伊東多三郎『国学の史的考察』、大岡山書店、1932年
- 伊東多三郎『国体観念の史的研究』、同文館、1936年
- 伊東多三郎『近世国体思想史論』、同文館出版部、1943年
- 伊東多三郎『国学者の道』、新太陽社、1944年
- 伊東多三郎『草莽の国学』、羽田書店、1945年(のち、真砂書房、1966年に復刻、さらにのち増補して名著出版、1982年)
- 伊東多三郎『日本封建制度史』、大八洲出版、1948年(のち、吉川弘文館、1950年再版)
- 伊東多三郎『幕藩体制』、弘文堂、1956年
- 伊東多三郎『幕藩体制』、清水弘文堂書房、1969年
- 伊東多三郎『国学者の道』、野島出版、1971年
- 伊東多三郎『近世史の研究』第1冊、吉川弘文館、1981年11月
- 伊東多三郎『近世史の研究』第2冊、吉川弘文館、1982年7月
- 伊東多三郎『近世史の研究』第3冊、吉川弘文館、1983年6月
- 伊東多三郎『近世史の研究』第4冊、吉川弘文館、1984年3月
- 伊東多三郎『近世史の研究』第5冊、吉川弘文館、1984年8月
[編集] 論文
[編集] 編著書
- 『国民生活史研究』第1、吉川弘文館、1957年(1984年10月)
- 『国民生活史研究』第2、吉川弘文館、1958年(1984年10月)
- 『国民生活史研究』第3、吉川弘文館、1959年(1984年11月)
- 『国民生活史研究』第4、吉川弘文館、1960年(1984年12月)
- 『国民生活史研究』第5、吉川弘文館、1962年(1985年1月)
[編集] 参考文献
- 「伊東多三郎年譜及著作目録」(伊東多三郎『近世史の研究』5、吉川弘文館、1984年)
- 瀬谷義彦「伊東多三郎」(『国史大辞典』15上、吉川弘文館、1996年)
- 井上慶隆「伊東多三郎─日本近世史の研究者─」(『ふるさと長岡の人びと』、長岡市、1998年)