人権派
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人権派(じんけんは)とは日本特有の概念で、人権の尊重や保護を重視する言動が見られる人々に対する呼称である。ただし人権派かどうかを区別する客観的な指標はなく、また「人権派」と言われる人物がそのように自称することはあまりない。尊称であると解釈する者もあるが、政治的意図を持った左派に対する揶揄のために使われることもまま見られる。
さらにこれを「在日外国人や各種事件の被疑者だけを守り、一般市民を害する存在」として蔑称に用いる例もある。このような使用例は日本の右派などがスラングとして常用している。こちらの用法を極端化した造語として「人権屋」が使用される事もある。
どちらの意味においても、多くの弁護士・学者・文化人・政治家・ジャーナリストなどが「人権派」と呼ばれている。
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[編集] 人権派と弁護士
人権擁護に熱心な弁護士を「人権派弁護士」と呼ぶことが多いが、弁護士法第1条では「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」と定めている。この第一条を曲解して「人権派でなければ弁護士ではない。」と言う意見があるが、日本国内においてはむしろ「人権派弁護士」とは「在日外国人や各種事件の被疑者の人権擁護に熱心なだけで、一般市民の人権擁護には熱心ではないどころかむしろ貶めている」[1]と言われるように、特定の信条の基に弁護活動を行う一部の弁護士をさす場合が多い。
[編集] 中華人民共和国における人権派
中華人民共和国政府による人権侵害問題や民主化運動に取り組む李和平、高智晟など有名な弁護士は「人権派」と呼ばれることがある。彼らは拉致されてひどい暴力を受けたり、政府に生活を監視されたりするなど、さまざまな弾圧を受けている。
[編集] 脚注
- ^ 森達也・森巣博 『ご臨終メディア―質問しないマスコミと一人で考えない日本人』 集英社、2005年10月、163頁。ISBN 9784087203141