中国人民解放軍第二砲兵部隊
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中国人民解放軍第二砲兵部隊(ちゅうごくじんみんかいほうぐんだいにほうへいぶたい Second Artillery Corps(SAC))は中華人民共和国の戦略ミサイル部隊、中国人民解放軍にて重要な役割を持っている。
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[編集] 概要
1966年7月1日に極秘裏に成立され、1984年10月1日の建国35周年記念の軍事パレードにおいて初めて公開された。
中国は当時の国際国内情勢を考慮し、戦略ミサイル部隊とは呼ばず、第二砲兵と周恩来総理が命名した。総兵力約10万人を有するが、実態は機密のベールに包まれている。
米国やロシア(旧ソ連)には若干劣るものの世界第三位の核保有量を持つ。
近年は、有人宇宙船:神舟の打ち上げ、複数衛星の軌道投入などで実証された宇宙技術を核開発にフィードバックしているとはいえ、依然として中国の核戦力(及び、中国人民解放軍関連全般)は、不透明な部分が多く、所在部隊等も不明なものもあり、推測、外聞に頼らざるを得ない部分もある。
[編集] 装備
主な装備は、核兵器、短、中、長距離、大陸間弾道ミサイルである。
核兵器搭載のICBM(大陸間弾道ミサイル)(東風5号など)20基以上、中距離弾道ミサイル130基から150基、短距離弾道ミサイル700基以上を保有している。
東京から直線距離で1,200kmの距離にある吉林省の通化基地には、大量破壊兵器の搭載も可能な数十発の中距離弾道ミサイルが配備され、日本の主要都市ならびに米軍基地に対しても照準がセットされている。ミサイルが発射された場合、東京に着弾するまでの推定所要時間は9分とされる。
尚、現在の主目標と考えられている台湾海峡には700基の短距離弾道ミサイルが配備されており、アメリカ国防総省では更に年間100基程度増加していると分析している。
[編集] 歴代司令員・政治委員
[編集] 歴代司令員
- 向守志(1967.7、未就任)
- 楊俊生(1968.9 - 1969.5)
- 張翼翔(1969.5 - 1975.4)
- 向守志(1975.4 - 1977.9)
- 李水清(1977.9 - 1982.11)
- 賀進恒(1982.11 - 1985.8)
- 李旭閣(1985.7 - 1992.11)
- 楊国梁(1992.11 - 2003.1)
- 靖志遠(2003.1 - )
[編集] 歴代政治委員
- 李天煥(1967.7 - 1968.3)
- 呉烈(第二、1967.10 - ?)
- 陳発洪(第二、1970.3 - 1975.4)
- 陳鶴橋(1975.5 - 1982.11)
- 劉立封(1982.11 - 1990.4)
- 劉安元(1990.4 - 1992.11)
- 隋永挙(1992.11 - 1997.11)
- 隋明太(1997.11 - 2003.12)
- 彭小楓(2003.12 -)
[編集] 関連項目
- この『中国人民解放軍第二砲兵部隊』と性格が似ている他国の戦略ミサイル部隊
[編集] 外部リンク
- 人民網(中国語)
- 新華軍事(中国語)
- SinoDefense.com
- nti.org
- Will the Eagle strangle the Dragon? An Assessment of the U.S. Challenges towards China's Nuclear Deterrence, Trends East Asia Analysis, No. 20, February 2008.