中二病
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中二病(ちゅうにびょう)とは、タレント・伊集院光がラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」で提唱した、特に日本の思春期の少年に見られる特徴的な言動・行動例を病気として比喩した俗語である。
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[編集] 概要
子供と大人の過渡期、思春期特有の思想・行動・価値観の総称、成長過程における一種の熱中的な精神状態を、「熱病」に似た「症状」に比喩して、その「発症」時期が日本の教育制度において中学2年生前後となることから、「中二病」と指し示している。また、その状態の者を「中二病患者」と称する。
かつて「中二病患者」であった高校生や成人が、当時の自分を振り返ったり、「発症」中の人間を見た時に、その言動が余りに幼稚で滑稽に見え、その上「病的」と言ってもよいほど無駄に熱く微妙に歪んでいると感じることから、自嘲と皮肉をこめて「中二病」と称する。
つまり、中二「病」とあるが、上述の通り実際に医者にかかる必要のある、いわゆる医学的な「病気」ではない。
[編集] 歴史
思春期の少年の言動の特異さは、古来からたびたび語られてきたが、明確にこれらの「症状」を「中二病」と名づけ、一般に広く知らしめるに至ったのは、ラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」内でパーソナリティの伊集院光が、「自分は未だ中二病を発病している」ことを明かし、リスナーからその「症例」を募り、1999年1月11日から1999年3月22日までに行われた「かかったかな?と思ったら中二病」と言うコーナーを通して体系化されていった。なお、このコーナーでは中二病的傾向のある者を馬鹿にするのではなく、むしろ自嘲気味に語って笑いをとるものであった。一種のあるあるネタと言える。
この当時は熱狂的な伊集院リスナーの間だけで用いられた名称であったが、次第にウェブ上の日記やブログ・電子掲示板等を中心として「中二病」という言葉が浸透し始めインターネットスラングとして広く使われ、その定義は非常に曖昧なものになってきている。
また、天久聖一、タナカカツキ『バカドリル』にも関連記述が見られる。
[編集] 症状
その「症状」は、大きく捉えれば若者が思春期の成長過程に直面し大人になろうとして、大人が好みそうな「格好いいもの」に興味を持ち、子供に好かれるようなもの、幼少の頃に好きだった幼稚なものを無意識に全否定する傾向にあると言う。もちろん意識的に行う場合もあるが、その反面、「格好の悪い大人」、「イヤな大人」と彼らが考える部分も同時に否定するなど、往々にして判断基準が曖昧で、実際の大人から見ると非常に「ズレて」おり、滑稽に見えることも大きな特徴である。
さらに、生死や宇宙、自分や他人・身近な物体の存在に関することなどについて思い悩んでみたり、政治や社会の汚さを批判してみたり、さらにワルぶってみせたりするものの、結局何も行動を起こさないでそのまま収束するといった性質も、「中二病」の「症状」といえる。
基本的に中二病は、第二次成長期における自我の発達が行き過ぎたものでしかない。「他人とは違う自分」「もう子供ではない自分」「汚い大人ではない自分」を他者に対し強調する自意識過剰からくるものであり、個性的どころかよくある、誰でも通る道に過ぎない。自分の中にある「中二病」的要素を告白し、それを自虐ネタにしつつ仲間と朗らかに笑い合うのがこの言葉のもともとの使用法である。あたかも実際の病のように治療が必要だと考えたり、中二病だと人に思われることを怖れて萎縮したり、人の言動を中二病だと批判して改善を求めたりする一連の行為は、むしろ俎上にあがっている中二病の要素以上に自意識過剰な傾向を顕著に示すものである。