ローマ内戦 (192年-197年)

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ローマ帝国属州

ローマ内戦 (192年-197年)では、192年（皇帝コンモドゥス暗殺）から197年（ルグドゥヌムの戦い）までを記す。なお、ローマ皇帝として5人が次々と擁立された193年は「5皇帝の年」とも言われる。

[編集] 概要

[編集] コンモドゥス暗殺

一連の内戦は、192年 12月31日のコンモドゥスの暗殺に続く、193年 1月1日に首都長官（City Prefect）ペルティナクスが皇帝に即位したことから始まった。ペルティナクスが即位することに関しては、クラウディウス・ポンペイアヌスらのコンモドゥス在位時期からの重臣や各地区の属州総督（後に皇帝に名乗りを挙げる人物も含めて）からも賛同を得た順調なスタートであったものの、193年 3月28日に親衛隊によってペルティナクスは暗殺された。

[編集] 皇帝位のオークション

ペルティナクス暗殺後に元老院は新皇帝を求めたものの、適当な人物がいなかった為、親衛隊によって「皇帝位」がオークションにかけられ、裕福な元老院議員のディディウス・ユリアヌスとペルティナクスの義父であり新しい首都長官であったティトゥス・フラウィウス・スルピキアヌス(Titus Flavius Sulpicianus)が競った。

スルピキアヌスは、兵士の忠誠を買うために20,000セステルティウス（sestertius）を提示（この金額は161年にマルクス・アウレリウスの登位の際に配られた金額と同額である）したのに対して、ユリアヌスは、オークションを勝ち取るために各兵士に25,000セステルティウスを提示、ユリアヌスが皇帝位を落札し、3月28日にローマ元老院によって皇帝として認められた。

[編集] 属州司令官の台頭

ユリアヌスの皇帝即位には各地より忠誠宣誓の拒否が相次ぎ、その中でシリア属州（Syria）総督のペスケンニウス・ニゲル、ブリタニア属州総督のクロディウス・アルビヌスおよびパンノニア属州総督のセプティミウス・セウェルスが皇帝に名乗りを挙げた。
セウェルスはユリアヌスを排除するためにローマに進軍したものの、セウェルスがローマへ到着する前の6月1日にユリアヌスは殺害された。無血でローマに入ったセウェルスは親衛隊を解雇、ペルティナクスを殺した兵士を処刑した。

セウェルスはニゲル討伐の為に東方属州へ親征し、193年にキジクス（Cyzicus）の戦いで敗北したが、ニケーアの戦いでは勝利を収め、決戦となった翌194年のイッススの戦いでニゲル軍を撃破し、ニゲルは敗死した。

この時セウェルスのもう一人のライバルであったアルビヌスは、はじめ自分がセウェルスの後継者になるであろうと考えてセウェルスと結んだが、自派の軍がセウェルス派へと転じたこともあって徐々に反目を強めて、セウェルスが息子・カラカラを後継者に指名したことを理由としてついにセウェルス打倒の軍を起した。両軍は197年 2月19日にルグドゥヌム（現：リヨン）で戦い、激戦となったがセウェルスが勝利を収め、アルビヌスは戦死した。