ローヌワイン
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ローヌワイン (wine of Rhône region) は、フランス南部のローヌ川流域で生産されるワインで、広域AOCのコート・デュ・ローヌ地域に相当する。北は、イゼール県のヴィエンヌ市(フランス語ではCienneという地名がほかにもいくつかあり、ヴィエンヌ県というのがあるほか、オーストリーの首都WienVienneと呼ばれる)の対岸にあるコート・ロティー地区から、ヴォクリューズ県の県庁所在地アヴィニョンの周辺まで広範囲に及び、ローヌ=アルプ地域圏のローヌ県、ロワール県、アルデシュ県、ドローム県と、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏のヴォクリューズ県、ラングドック=ルシヨン地域圏のガール県まで、南北200km、南部で東西が100kmあまりに及んでいる。
現在では、ボルドー、ブルゴーニュの「両翼綱」に比べると、やや影の薄い存在になり、新しくできてきたラングドック=ルシヨンやプロヴァンスのワインとまとめて「南仏ワイン」と呼ばれることも多くなったが、歴史は、フランスで最も古く、紀元前600年頃にはぶどうの栽培が始められていたとされている。
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[編集] 特徴
ローヌワインの産地(以下ローヌ地方と表記する)は、全体的に、冬はかなり寒くなるが、が夏は非常に暑い大陸性気候で、ワインは、男性的で力強く、アルコール度数も高いものが多い。赤が多いが、白やロゼ、甘口の白ワインもあり、それらの中にも個性的なものがかなりある。
[編集] 北部と南部
気候的にも土壌の面でも、北部と南部では違っている。
北部では、文字通りの大陸性気候で、土壌も花崗岩質の斜面が多く、赤ワインは、シラー種による、チョコレートやものが焦げたような香りの、濃い身を帯びた赤の、いかにも甘い果実を凝縮したようなワインが作られている。白ワインは、ヴィオニエという品種で作られた、かなり強い香りのこくのある辛口が作られる。
一方、南部地区では、やや海洋性気候に近くなり、土壌は水はけのよい砂利の混じった土壌で、赤にはグルナッシュ、カリニャン、シラー、ムルヴェードル、サンソーなど、白ではグルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、マルサンヌ、クレレットなどが作られていて、地区によってかなりの違いがある。
[編集] 主なAOC
[編集] 北部地区
- コート・ロティー
- コンドリュー
- シャトー・グリエ
- クローズ・エルミタージュ
- エルミタージュ
- コルナス
- サン・ペレ