リソスフェア
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リソスフェア(lithosphere)は、岩石圏とも呼ばれ、地球の地殻とマントル最上部の固い岩盤を併せた部分の総称である。プレートとほぼ同じ。ただし、もともとプレートテクトニクスにおいて、「プレート」は剛体(いかなる力が加わっても決して変形しない理想的な物体)として定義されているのに対して、「リソスフェア」という言葉は地球表面で弾性体として挙動する部分を指す。
プレート、あるいはリソスフェアは14枚に分かれて地球表面を覆っており、それぞれが互いに相対運動している。相対運動速度は場所によって異なり、年間数mmから10cm程度である。
リソスフェアの下はアセノスフェアという、より高温かつ流動的な層を覆う板である。この流体層の存在によってプレート間の相対運動が可能になっている。アセノスフェアのさらに下にはメソスフェア(下部マントル)、さらには核(コア)がある。
海嶺周辺は温度が高いためリソスフェアは薄い。時間が経ち海嶺から遠ざかるにつれて、より深部の高温部分が冷えて弾性的性質を獲得する。こうして、リソスフェアは時間とともに厚くなる。
[編集] リソスフェアの厚さ
地球の深さ方向に対しての層の分け方のうち、地殻やマントルが元素組成など地球化学的性質に基づいた分け方であるのに対して、リソスフェアは地球物理学的な分け方である。
従って、その厚さは加えられた力に対する物理的な応答で定義され、測定方法によって様々な値を取る。短い時間スケールの力に対しては(例えば地震)かなり深部の高温部分でさえも弾性的に応答するので、リソスフェアは厚い(時に数100km)。逆に長い時間スケールでは(例えば大陸氷河の消長)、浅部の十分に弾性的な性質を持つ部分だけが長い期間その過重を支えることができる。従って、厚さは数10km程度になる。通常リソスフェアの厚さと言えば後者を指すが、いずれにしても一つに定まらない量である。また、リソスフェアの厚さは荷重の空間スケールにも大きく依存する。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 深尾良夫 『地震・プレート・陸と海 - 地学入門』 岩波書店〈岩波ジュニア新書〉、1985年、ISBN 4-00-500092-4。
- 川上紳一・東條文治 『最新地球史がよくわかる本』 秀和システム〈図解入門〉、2006年、ISBN 4-7980-1260-2。
理論: | 大陸移動説 - アイソスタシー - マントル対流説 - 海洋底拡大説 - プルームテクトニクス |
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地球の内部構造: | 地殻 - マントル(上部マントル・下部マントル) - 核(外核・内核) // リソスフェア(プレート) - アセノスフェア - メソスフェア |
プレート境界: | 発散型 : 海嶺 // 収束型 : 沈み込み帯(海溝 - トラフ) // トランスフォーム型 : トランスフォーム断層 |
地殻変動: | 地震 - すべり - 褶曲 - 断層 - 地溝 - 地塁 - 断裂帯 - 構造線 - 付加体 - 造山運動 - マグマ - 火山 - 噴火 - ホットスポット |
ユーラシア: | アムール - 揚子江 - 沖縄 - スンダ - ビルマ - モルッカ海 - バンダ海 - ティモール - アナトリア - エーゲ海 |
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フィリピン海: | マリアナ |
太平洋: | カロライナ - 北ビスマルク - 南ビスマルク - マヌス - フツナ - バルモーラル暗礁 - コンウェイ暗礁 - ニューヘブリデス |
北アメリカ: | オホーツク - ベーリング |
カリブ: | パナマ |
ココス: | ファンデフカ - リベラ |
南アメリカ: | スコシア - サンドウィッチ - シェトランド - アルティプラーノ - 北アンデス |
ナスカ: | ガラパゴス - イースター - ファン・フェルナンデス |
南極: | - |
アフリカ: | ソマリア |
アラビア: | - |
インド・オーストラリア: | インド - オーストラリア - ケルマデック - トンガ - ニウアフォ - バーズヘッド - モルッカ海 - ウッドラーク - ソロモン海 |
超大陸: | ヌーナ - ローレンシア - コロンビア - パノティア - ロディニア - パンゲア - ゴンドワナ - ローラシア - ユーラメリカ - アフロ・ユーラシア - アメリカ - アメイジア - パンゲア・ウルティマ |
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古期地殻変動: | カレドニア造山帯 - ヘルシニア造山帯 - ウラル造山帯 - 中央アジア造山帯 - タスマン造山帯 - アパラチア造山帯 - インド大陸 - 洪水玄武岩 |
主要なプレート境界: | 発散型 : 大西洋中央海嶺 - 南東インド洋海嶺 - インド洋中央海嶺 - 南西インド洋海嶺 - 太平洋南極海嶺 - 東太平洋海嶺 - 大地溝帯…その他 // 収束型 : ペルー・チリ海溝 - 中央アメリカ海溝 - カスケード沈み込み帯 - アリューシャン海溝 - 千島・カムチャツカ海溝 - 日本海溝 - 伊豆・小笠原海溝 - マリアナ海溝 - 琉球海溝 - フィリピン海溝 - トンガ海溝 - ケルマデック海溝 - ジャワ海溝 - プエルトリコ海溝…その他 // 環太平洋造山帯 - アルプス・ヒマラヤ造山帯 |