モース警部
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モース警部 (Inspector Morse) は、コリン・デクスターの推理小説に登場するイギリスの架空の警察官。『ウッドストック行き最終バス』に初登場。以後、デクスターの全13長編、及び1つの短編に登場する。
[編集] 人物
オックスフォードのテムズ・バレイ警察署の中年独身警部で、頭が薄くなってきているのを気にしている。初登場時は44歳。仕事熱心だが、思い込みや思いつきで直感的推理を次々と組み立て(そして大抵最初は間違っているのだが)、事件を次々と解決し、その実力は警察署内でも一目置かれている。科学的なものよりも自分の考えで組み立てていくことが多く、地道な操作を好む部下のルイス部長刑事はいつも迷惑している。しかし、二人の間にはしっかりとした友情関係らしきものがある。
モースは作者の趣味を反映し、暇さえあればクロスワードパズルを解いている。クラシック音楽も好み、リヒャルト・ワーグナーを愛する。また、英単語の綴りにうるさく、部下の報告書等で間違いを見つけるとすぐに指摘する。といっても、そのような教養的で高尚的でありながら、酒も煙草も女も大好きな人間であり、そのギャップが彼の魅力でもある。彼の酒好きはかなりもので、昼食は必ずウイスキー等の液体で摂取し、仕事中でもパブに出入りする。また、特に女に惚れやすい性格で、会った美人の女性にはかならず好意を抱いており、女性もモースの魅力に惹かれるという、かなりのモテ体質。ただし、あまり恋愛運はよくないようである。
また、彼のファーストネームはながらく明かされておらず、E.モースと表記されていたが、『死はわが隣人』において初めて明かされた(それ以外の作品で、彼のファーストネームは表記されていない)。
1990年のCWA会員投票において、シャーロック・ホームズをしのぎ、「好きな探偵」第1位に選ばれている。なお、モース警部シリーズは、既に完結している。