モスキート (音響機器)
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モスキート とは、米国で開発された、超高周波を使った音響機器。
企業の商品名ではあるが、同様のアイデアを利用した商品は、「モスキート」と称されることが多い。
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[編集] 若者除け装置
英国の会社が「モスキート」の商品名で、セキュリティーシステムとして2005年から地元商店などに販売。小型スピーカーから17キロヘルツという、非常に高周波数のブザー音が流れる。
高周波数の音は、年齢とともに徐々に聞きにくくなるため、おおむね20代後半以降の大人には、まったく聞こえないか、もしくはほとんど気にならない。しかし、聞こえる若者にとっては、かなり耳障りである。
ただし、高周波数の可聴範囲は個人差が大きく、若年層以上でモスキート音が聞こえる人もおり、その人が機械の設置を知らない店員や周囲に不快感を訴えても、理解してもらえない状況に陥ることがある。
[編集] 応用例
以下のような例について、効果的に防げる…というのが、モスキート開発者の触れ込みである。
- 店内に長く居座っている若者客を、店から追い出せる。
- (ファミリーレストラン・ファーストフード店・書店…など)
- 店頭や駐車場などでの迷惑行為をする若者を、排除できる。
- 万引きをする若者に対して、牽制することができる。
- (デパート・スーパー・書店など)
[編集] 既存の例
過去の一例として、年配向けの「演歌やロカビリー」を流すことで、毎日スーパーの駐車場にたむろしていた暴走族を、短期間で一掃できたという。暴走族らは、店がなぜ「演歌やロカビリー」を流したのか、まったく理解してはいない。自分たちの雰囲気に合っていないので、そこから立ち去ったにすぎない。
モスキートを利用することで、「店のムード」を音楽により壊すことなく、店に相応しくない年齢層を排除することができる。
[編集] 携帯電話の着信音
もともと、店頭にたむろする若者を追い払うため開発された「モスキート」だが、大人には聞こえにくい高周波数の「不快音」が、 携帯電話の着信音として米英の若者の間で、急速に広まりつつある。
モスキートの販売後しばらくして、「超高周波の音声ファイル」を携帯電話にダウンロードできるソフトが開発され、ブームに火がついた。ネット上に「モスキート着信音」の販売サイトも登場している。
電話の着信音の場合、多少の不快音であった方が、着信に気付きやすく都合が良いのである。これは、固定電話のベルや、救急車・パトカーの音、赤ん坊の泣き声…などにも共通する。
モスキート着信音は、大人に聞こえないのをいいことに、授業中の携帯使用が増えないか、教師らを心配させている。
[編集] 関連項目
- イグノーベル賞受賞者の一覧#2006年 - 2006年平和賞の受賞内容
- 高周波
- 超音波
- 雑音
- 騒音