メトカーフの法則
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メトカーフの法則(メトカーフのほうそく、Metcalfe's law)は、通信網に関する法則。日本では、一般に「メトカルフェの法則」として定着している。
「通信網の価値は利用者数の二乗に比例する。また、通信網の価格は利用者数に比例する。」
例えば通信網に対し現在の3倍の費用をかけると(利用者を3倍にすると)、その通信網の価値は9倍になるという考え方。
ロバート・メトカーフが1995年に提唱した。
ただし、すでに小野五郎アジ研研究主幹(当時:現埼玉大学教授)は、「ソフト化時代の地域振興」(『通産ジャーナル』1988年8月号収録)の中で「ライリーの小売り引力の法則」(顧客吸引力は、人口ないし品揃えに比例し、距離の二乗に反比例する:これを一般化すると、「集積によって発生する効果は、集積量に比例し、アクセスの容易さの二乗に比例する」となる)を情報集積に応用し、「情報通信ではアクセスは無視できるから、情報集積の全体効果が集積量の数乗倍で利いてくる」としていた。すなわち、「『メトカーフの法則』は、決して独自の『法則』などではなく、ライリーの法則の系にすぎないし、小野論文よりも5年以上も後になって出てきたものなのである。