マランツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マランツとは、
- 音響機器・映像機器のブランド。2005年以降は株式会社ディーアンドエムホールディングスが保有。
- 2005年までマランツブランドで音響機器・映像機器を展開していた日本マランツ株式会社。
- ソウル・バーナード・マランツが1953年にアメリカ・ニューヨークで興した「マランツ・カンパニー」。後述。
[編集] マランツ・カンパニー
インダストリアルデザイナーで電気技術者のソウル・バーナード・マランツが、1951年に友人のスタジオエンジニアからの依頼で製作したプリアンプの音が評判となり、妻と共に自宅で生産を開始。しかし400台もの受注を抱えたため1953年「マランツ・カンパニー」を設立し事業化する。
初めての製品「Audio Consolette」は、当時乱立していた各社のフォノイコライザー特性を容易に切り替えられる他、テープモニタースイッチなども備えた多機能なプリアンプで、新たに制定されたフォノイコライザー特性RIAAカーブに対応した際に「model 1」と改称する。以降パワーアンプを主に担当するシドニー・スミス、FMチューナーを主に担当するリチャード・セクエラらのエンジニアと共に多くのハイエンド製品を送り出す。
特に1950年代末期に発売されたプリアンプの「model 7(7C)」、パワーアンプ「model 9」の2機種は日本でも特に有名で、その先進的な設計と美しいデザインは後のオーディオ機器全てに影響を与えるほどのインパクトがあり、真空管末期のオーディオアンプを語る上で欠かすことの出来ない存在となっている。
しかしセクエラを中心としたFMチューナー「model 10B」の開発は一切の妥協を許さない姿勢から遅れに遅れ、発表から2年あまりを経てようやく生産を開始した1964年にはマランツ・カンパニーの資金が底を付き、ソウル・バーナード・マランツは今後25年間オーディオ機器関連の仕事をしない条件などと共にマランツ・カンパニーをスーパースコープ社へ売却した。
その後のマランツブランドについてはスーパースコープ (映画)及び日本マランツ、ディーアンドエムホールディングスを参照。