マスク・オブ・ゾロ
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マスク・オブ・ゾロ The Mask of Zorro |
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監督 | マーティン・キャンベル |
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製作 | ダグ・クレイボーン、デイヴィッド・フォスター |
脚本 | ジョン・エスコー、テッド・エリオット、テリー・ロッシオ |
出演者 | アントニオ・バンデラス アンソニー・ホプキンス キャサリン・ゼタ・ジョーンズ スチュアート・ウィルソン |
音楽 | ジェームズ・ホーナー |
撮影 | フィル・メヒュー |
編集 | トム・ノーブル |
配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開 | 1998年7月17日 1998年10月10日 |
上映時間 | 136分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
制作費 | $95,000,000 |
次作 | レジェンド・オブ・ゾロ |
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Variety Japan | |
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IMDb | |
『マスク・オブ・ゾロ』は、1998年制作のアメリカのアクション映画。マーティン・キャンベル監督、アントニオ・バンデラス、アンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ出演。歴代の怪傑ゾロ映画として初めて、スペイン人であるバンデラスがゾロを演じた。日本語字幕は菊地浩司。
この作品はヒットを記録し、2005年には引き続きキャンベル監督、バンデラス、ゼタ・ジョーンズ出演による続編『レジェンド・オブ・ゾロ』が制作されている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
1821年、メキシコはスペイン植民地からの独立を達成した。サンタ・アナ率いる革命軍の侵攻が迫る現在のカリフォルニア州の総督であったラファエル・モンテロは冷酷非情な男だった。本国へ逃れる前の憾みであった覆面の剣士怪傑ゾロを捕らえる策謀は、ゾロを英雄視する農民たちによって妨げられる。その中にはホアキンとアレハンドロのムリエッタ兄弟の姿があった。モンテロと対峙したゾロはその首筋に「Z」の字を刻み、愛馬トルネードに跨って朝日に剣を閃かせ、歓声を上げる観衆の前を走り去る。
スペイン貴族ディエゴ・デラ・ベガがゾロの正体ではないかと目星を付けたモンテロはディエゴ邸を襲う。闘いの際にディエゴの妻が殺され、幼い娘エレナはモンテロに奪われて、モンテロが再びカリフォルニアの土を踏むまでの20年間、ディエゴは投獄されたままだった。機を得て脱出したディエゴはモンテロに復讐する機会を狙うが、美しい娘に成長したエレナを引き連れているのを目にして思いとどまる。間もなくディエゴは、つまらないお尋ね者に身を落としたアレハンドロに出くわす。アレハンドロは兄ホアキンを残酷なアメリカ人の大尉ハリソン・ラブに殺され、酒に溺れていた。ディエゴはアレハンドロに剣術をたたき込み、民衆の奉仕者たる品格を説き、ゾロの後継者に鍛え上げる。
スペイン貴族を装ってモンテロのパーティーに紛れ込みエレナと情熱的なダンスを交わしたアレハンドロは、さらにモンテロが農民や囚人を使ってラブの指揮のもと密かに金鉱を開発し、メキシコからカリフォルニアを買い取って再び統治者におさまろうとしていることを知る。ディエゴはアレハンドロにゾロの覆面 (mask of Zorro) を譲り、モンテロの邸に忍び込ませる。モンテロやラブを退けて金鉱のありかを記した地図を盗み出したゾロことアレハンドロはエレナとも対決し、ドレスを破って打ち負かす。
ゾロはモンテロの野望を挫くため金鉱へ行き、ディエゴはエレナに自分が本当の父親であることを告げ、2人してゾロを助けに向かう。ゾロとディエゴはそれぞれの仇敵・ラブとモンテロとの決闘となり、エレナは囚われていた鉱夫たちの解放に奔走する。ついにラブは自らの剣で刺し貫かれ、モンテロは黄金を積んだトロッコとともに墜落、金鉱は大爆発するも鉱夫たちの救出に成功し、銃弾を受けたディエゴはアレハンドロにあとを託して死んでゆく。やがてアレハンドロとエレナは結婚して息子にも恵まれ、カリフォルニアには怪傑・ゾロが返り咲いたのだった。
[編集] その他
- ラブの制服は1870年代以降のもので、騎兵が使っていたライフルも1860年代に登場したものである。劇中の時点ではシャコー帽を着用しており、フリントロック式のカービン銃を採用していた。
- 貴族のふりをしたアレハンドロはパリ・リスボン・サンフランシスコ経由でやって来たとモンテロに言っているが、サンフランシスコと改称するのは1847年1月で、1841年当時にはヤーバ・ブエナと呼ばれていた。
- アレハンドロの召使いを装う際にディエゴは「ベルナルド」と名乗るが、これは原作に登場する主人公ディエゴが持っていた召使いの名でもある。
- 怪傑ゾロは覆面のヒーローとして「バットマン」のモデルになっているが、一方でこの映画には師匠から弟子へのヒーロー交代劇としてTVアニメ『バットマン・ザ・フューチャー』からの影響が見られる。
[編集] キャスト
- アレハンドロ・ムリエッタ(二代目ゾロ)(アントニオ・バンデラス)
- ホアキンの弟。ラブの手でホアキンを殺され、復讐を決めるがディエゴと出会い、剣や心得など様々な教えを受ける。これを機に精神的にも肉体的にも成長してゆき、さらにはエレナとも恋に落ちる。
- ドン・ディエゴ・デ・ラ・ベガ(一代目ゾロ)(アンソニー・ホプキンス)
- カリフォルニアの名士であるスペイン貴族。民衆を守る英雄「ゾロ」として活躍するが、ラファエルによって捕らえられる。それから20年後、ラファエルの帰還を知り、戦いを挑むが自らが高齢であるため、後継者としてアレハンドロを鍛え、育てる。
- エレナ・モンテロ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)
- ディエゴとエスペランザの娘。幼児の折母エスペランザを失い、父ディエゴと引き離された末、ラファエルの娘として育てられる。一見美しい貴族の娘だが、父親譲りの強い気性の持ち主で、剣術の使い手でもある。
- ドン・ラファエル・モンテロ(スチュアート・ウィルソン)
- スペイン領カリフォルニア最後の総督。ゾロことディエゴに敵愾心を抱く一方、エスペランザにも思いを寄せていた。彼女が自分とディエゴの戦いの巻き添えになって死亡した直後、ディエゴを捕らえて牢獄へ送り、エレナを自分とエスペランザの娘として育てた。それから20年後、ある野望を胸に抱えてカリフォルニアへと戻る。
- ハリソン・ラブ(マット・レッシャー)
- アメリカ人の軍人で階級は大尉。ラファエルから私兵部隊の隊長として雇われる。剣術と拳銃の使い手で、残忍な心の持ち主。自ら手にかけたホアキンとジャックの「あるもの」をコレクションした。
- エスペランザ・デ・ラ・ベガ(ジュリエッタ・ローゼン)
- ディエゴの妻。美しく貞淑な女性で、ディエゴのみならずラファエルからも思いを寄せられていた。ゾロとして活躍するディエゴを心配していた矢先、その不安が的中。ディエゴをかばう形で犠牲となった(ちなみに彼女を撃った兵士は直後、ラファエルに刺殺された)。
- ホアキン・ムリエッタ(ヴィクター・リヴァース)
- アレハンドロの兄。弟と共に200ペソの賞金首「ムリエッタ兄弟」として手配されていた盗賊。ガルシアを騙してお宝を馬車ごと手にした直後ラブ率いる部隊と遭遇。ラブに撃たれ、アレハンドロを逃がした直後取り囲まれ・・・。
- 三本指のジャック(L・Q・ジョーンズ)
- 片手の指が三本残っている中年のならず者。かなりのベテランだが仲間のアレハンドロやホアキンと違い、賞金を掛けられていない。お宝を手にした直後、ラブに撃たれるが・・・。
- ドン・ルイス(トニー・アメンドラ)
- ラファエルと深い繋がりのある有力地主。彼のおかげで他の地主共々、サンタ・アナに土地や財産を没収されること無く生き長らえることが出来た。それから20年後、カリフォルニアに戻ってきたラファエルの野望達成に、重要な役割を果たす。
- アレハンドロ少年時代(ホセ・マリア・デ・タヴィラ)
- 両親を失い、ホアキンと共に教会で世話になっている少年。ゾロを発見し、ホアキンと共にその危機を救う。
- ホアキン少年時代(ディエゴ・シエレス)
- アレハンドロ共々ゾロを慕う活発な少年。ゾロを助けた後、お礼として銀のメダルを受け取る。そのメダルは後にアレハンドロの手に渡ることに。
- ガルシア(ホセ・ペレズ)
- メキシコ軍の下士官で、階級は伍長。ムリエッタ兄弟やジャックに部下共々騙され、お宝を積んだ馬車を奪われた。
- ドン・ペドロ
- ドン・ヘクトール
- ドン・フリオ
- カリフォルニアの地主達。ラファエルとは旧スペイン領時代からの付き合いだが、ルイスほど信頼しているわけでもない。