ボイン川
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ボイン川(The River Boyne)はアイルランドのレンスター地方を流域としている河川。キルデア州カーブリー(Carbury)付近の源流からミース州を北東に向かって流れ、アイリッシュ海に注いでいる。中流域のボイン渓谷ではサケ・マスなどを捕らえる事ができる。全長が112kmと短いにも関わらず、ボイン川は歴史的、考古学的そしてケルト神話の上でも重要な舞台となっている。古都トリムやタラの丘、ナヴァン、ニューグレンジ、ドロヘダなどの歴史ある町や遺跡が付近には多い。名誉革命後に発生したジャコバイトによるウィリアマイト戦争では1690年ボイン河畔で決定的な戦闘が行われた(ボイン川の戦い)。
古代ギリシャの天文学者クラウディオス・プトレマイオスは2世紀にアイルランドの地図を作成しているが、その中にはボイン川が書き込まれており、この川をBovindaと名付けている。後の時代ジェラルダス・カンブレンシスからはBoandusと呼ばれていた。伝説によればフィン・マックールが聖なる鮭フィンタンFiontánを捕らえた川であるとされる。ボインという名称はアイルランド神話の神ボアンド(Boand)に由来するとされている。