ペースノート
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ペースノートとは、モータースポーツ用語で、ラリーに使われるコースの情報を記載したノートである。
[編集] 概要
ラリーの競技には、封鎖された一般道路でタイムアタックを行うスペシャルステージ(SS)と呼ばれる区間がある。その総延長は数百kmに及ぶこともあり、整備されたサーキットを周回するレースとは違って、ドライバーがコースの全て(路面状況等含む)を暗記することはほぼ不可能である。そのためドライバーはコ・ドライバーと協力しながら、レッキ(事前試走)時にペースノートを作成し、本番アタック時にはその情報を頼りに全開走行することとなる。当然ながら、ペースノートの完成度は競技の成績を左右するだけではなく、クルーの安全にも大きく関わる。
[編集] 詳細
ペースノートに記載される内容の例として、以下のものが挙げられる。
- コーナーのきつさ
- 直線の距離
- コーナーの連続具合
- ライン取り(インカットの是非など)
- クレスト(先の見えない頂)
- コーション(注意)
- 道案内(交差点、分岐など)
- 目標物(標識、樹木など)
- コ・ドライバー自身が読むタイミングの覚え書き
この他にも記載される要素は多岐にわたり、各クルーは趣向を凝らしたペースノートを作成する。ペースノートに使う言語は各クルーの母国語であったり、英語であったりと、特に決められているわけではない。レッキ中は限られた時間で書き留めるために、これらを大幅に省略した記号を用いることが多い。