ベルボトム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベルボトム(bell-bottoms)とは、衣服のうち、ズボンのデザインの一種。またそのようなデザインのズボンそのものを指す。
脚の筒の形が、腰から膝までは身体にフィットし、膝から裾に向かって広がっているものである。
金管楽器のベルの形に似ていることから「ベルボトム」と呼ばれている。日本では「パンタロン」や「ラッパズボン」と呼ばれたこともある。 丈の長いブーツを下に履けることから「ブーツカット」という呼び方も一般的である。
現在は裾の広がり方によって区別するのが一般的になっており、やや広がっているものをブーツカット、大きく広がっているものをベルボトムとすることが多い。両者を総称して「フレア」とも言う。
着方はとくに決まっていないが、やや丈を長めにしてかかとの高い靴と合わせるとさらに脚を長く見せることができる。 このような着こなしがしやすいよう、裾にスリットが入っていたり、裾をボタンやファスナーで開閉できるものもある。
目次 |
[編集] 特徴
- ヒザ下を長く見せることができる。
- ある程度脚の体型をカバーできる。
- 着用時に裾を引っ掛けたりしやすい。
- 裾を引きずったりして汚しやすい。
[編集] 日本での歴史
ベルボトムの発祥は定かではないが、関西のジーンズショップが学生服のズボンを裾広がりに改造していたデザインが元になったという説がある。[1]
1970年代にヒッピー文化の一環としてジーンズと共に大流行した。当時は「パンタロン」と呼ばれていた。(パンタロンはフランス語でパンツの意だが、日本ではベルボトムを指す語として定着。こちらも参照。現在では死語と化している。) 特に、かかとの高いロンドンブーツと合わせて脚を長く見せる着方が流行した。野口五郎や沢田研二など、当時のアイドルスターにも多く着られている。
その後1980年代にはスリムジーンズの流行に置き換わったが、1990年代後半より女性を中心に再びベルボトムが流行した。その脚を長く見せる効果に注目が集まり、デザインに工夫が凝らされて脚の長さだけでなくお尻をスリムに見せるなどの効果をうたった、いわゆる「美脚パンツ」のブームが起こった。 この流行はジーンズだけでなくパンツ全般に広まり、スーツなどのスラックスやトレーニングパンツなどにもベルボトムのデザインが取り入れられたものが多く売られるようになった。
2006年頃からはスキニージーンズなどスリムがまた流行しているが、依然ベルボトムも高い需要がある。現在ではお兄系やロック系、パンク系の人々の間で特に人気が高い。