ベヘモス (フルメタル・パニック!)
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Plan1501 ベヘモスは、賀東招二の小説『フルメタル・パニック!』に登場する架空の人型兵器(アーム・スレイブ)のひとつである。
その名の由来となった伝承上の生物に関しては、ベヒモスの項を参照のこと。
[編集] 機体解説
アマルガムが開発した超大型のAS。そのサイズは40mに達し、通常のASの5倍に相当する(他作品で言えば、機動戦士Ζガンダムに登場したサイコガンダム等に相当するサイズ)。
既存のASとは根本的に異なる機体であり、ベースとなった機体(Plan1056 コダールにとってのZy-98 シャドウ、アーバレストにとってのM9等)は存在しない。また、そのコンセプトは『対AS用のガンポート』であり、圧倒的な火力による制圧を目的としている。通常のAS1機ではまず太刀打ちできず、M9複数機を以てしてようやく撃破、あるいは無力化できるほどの耐久性も持ち合わせている。
ただし、その巨体は数千tという破格の重量を有しており(コダールの重量は10.8t)、本来、動かす事はおろか自立自体が不可能である。それを解決するためにこの機体にもラムダ・ドライバが搭載されており、自重を支え、自壊を防ぐためにこれを用いている。ただし、搭乗者は常時ラムダ・ドライバの使用に集中している必要があり、『疾るワン・ナイト・スタンド』において、搭乗者の集中力が切れかけたために機体に軋みが生じるという描写が見られた。
なお、他のラムダ・ドライバ搭載機と同様にこれを防壁として用いる事も可能である。もっとも、本機の場合はそのサイズと重量ゆえに回避行動が全く取れないため、防壁としてのラムダ・ドライバもまた必要不可欠の装備である。ただし、自重を支える機能(A-ファンクション)と防壁の機能(B-ファンクション)はあくまでも別系統であるため、通常武装でダメージを与えることは不可能ではない。事実、クルツは数度に渡り、一瞬の隙を突く形でこの機体を狙撃してダメージを与えているし、機雷で脚部に損傷が出ることもあった。
『疾るワン・ナイト・スタンド』中に登場した台詞によれば、1機当たりの製造コストは巡洋艦2隻に相当する。また、作中でセイナが燃料は40時間分である旨を語っている。
『燃えるワン・マン・フォース』では、かなめが「ベヘモスi」という機体についての評価をしている描写があったが、詳細は不明。ただし、『つどうメイク・マイ・デイ』中に、1502と1059という形式の機体を派遣する、という旨の台詞が登場しているため、Plan1502がベヘモスiに該当する可能性はある(Plan1059はコダールm)。
コクピットは頭部に位置しており、軽自動車サイズの球状のカプセルに収められている。内部は広めに造られており、居住性が高く、メインモニターは搭乗者の頭の動きに合わせて動く仕組みになっている。
[編集] 作中での運用
- 『疾るワン・ナイト・スタンド』
- テロ組織"A21"がアマルガムから供与された機体が登場した。この際は"A21"の構成員であるクガヤマ・タクマがこれに搭乗し、自衛隊の96式3機と、マオのM9を撃破した。しかし、宗介のアーバレストと交戦した際に、ラムダ・ドライバの冷却装置を破壊された事によって自重を支えきれなくなって崩壊した。
- この際の装備は30mm機関砲『竜の息』と『太刀』のみであった事から、ガンポートとしてみると、その能力を生かしていたとは言い難い。そのためか、作中に登場した男(名前は出ていないが人物描写からクラマと判断できる)は、「われわれ<アマルガム>には、あの機体は必要ない」と言っている(もっとも、その後欠陥を改善して実戦に投入しているのだが)。
- 『つづくオン・マイ・オウン』
- 3機のベヘモスがメリダ島基地を襲撃した。この際は本来のコンセプト通りに大量の火器を満載しており、『太刀』を持たない代わりに戦艦の主砲をベースとした火砲を持ち、対地ミサイルの類も多数搭載していた。
- この内1機はクルツ他のSRT要員のM9と交戦し、スペック機を大破させるなど甚大な被害を与えた。しかし、スペック機撃破の際にラムダ・ドライバの使用に気をとられた結果、コクピットの防護が疎かになった所を突かれてクルツにより撃破される。
- 他の2機はそれぞれクルーゾーとマオのM9及び二人が操作する無人兵器群と交戦し、1機はメリダ島を脱出するTDD-1の前に立ち塞がる。しかし、激突の寸前にクルツとクルーゾーのM9からの射撃を受けた結果下半身の防壁が薄れ、そのままTDD-1の体当たりを受ける形で撃破されている。なお、残り1機に関しては全ての兵装を使い切ったことが描写されている。
- 『つどうメイク・マイ・デイ』
- ミスタ・Auの指揮下にある部隊の機体として、3機のベヘモスがニケーロにあるレナードの拠点を襲撃する。この際もメリダ島を襲撃した際と同様に大量の重火器を装備していた。
- なお、宗介の駆るレーバテインと交戦し、全機が撃破されている。