ベイル・オーガナ
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ベイル・オーガナ(オルガナ、Bail Organa)あるいはベイル・プレスター・オーガナ (Bail Prestor Organa) は、映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する架空の人物である。惑星オルデランの出身で、レイア・オーガナ(レイア姫)の養父である。妻は元オルデラン教育大臣・難民解放活動議長でオルデラン女王のブレハ・オーガナ。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
オルデラン王室に生まれた彼は、若くして王位継承をめぐる闘争に巻き込まれる。この争いは最終的に共和国の介入によって調停され、オーガナは王となるとともに惑星の実質的統治者である総督の位にもついた。
その後、元老院議員選に出馬する為両方の位を他人に明渡すことになるが、オルデラン星系選出の議員としてみごと当選、持ち前の博識、知恵、道徳心を使って彼はここでもすぐに尊敬と信頼を集めるようになる。
前議長フィニーズ・ヴァローラムも彼の友人であったが、パルパティーン議員が新しい元老院議長に就任すると、オーガナはパルパティーンの顧問の一人となる。特にクローン大戦時はその交渉術を買われ、ロイヤリスト・コミッティ(議長忠誠派)と呼ばれる対独立星系連合交渉助勢会議のメンバーとなり、またジェダイマスターオビ=ワン・ケノービともクローン大戦中に親睦を深めた。しかし、元老院議長の異変に初期から危機を感じていたのも彼だった。
オーダー66が発動され、ジェダイ聖堂がクローン・トルーパーに攻撃されているのを見て異変を察知しヨーダとオビ=ワンを助けだしたのも彼だった。そしてパルパティーンが皇帝を名乗るようになるとすぐに、オルデラン総督の位に戻り、長老議会という会議を創設し自ら初代議長につき、警戒を強めた。クローン大戦中後を問わず、彼はクローン・トルーパー(後に帝国軍ストーム・トルーパー)のオルデラン駐留を認めず、平和を守る為オルデランにあった武器を全て宇宙船に載せ、完全非武装化を断行した。
やがてモン・モスマ、ガーム・ベル・イブリスと共に共和国再建同盟を結び、反乱同盟軍を組織した。惑星オルデランが本格的に防御を固め、正式に同盟軍に参加する直前、この星はデス・スターによって破壊され、彼も共に宇宙の塵と化した。
[編集] 思想・政策的立場
オルデラン王室という申し分のない家柄に生まれ育ったオーガナだったが、彼はよくその思いやりの精神から、圧政に苦しむものの代弁者とたとえられた。例えば、オルデラン政府はクローン大戦時に発生した多くの難民を受け入れたが、この決断に彼と当時難民解放活動議長の妻は大きく影響を与えたといわれる。しかし元老院では、腐敗官僚の私腹を肥やすように、銀河の移住に不当な税をかける法案が可決されてしまう。オーガナはこういった意見に対し常に声を大にして反対したので、必然的に彼のライバルたちには腐敗議員が多かった。
彼はまたパルパティーン議長の側近の一人と見られていたが、常に問題を両陣営それぞれの立場からみることができる優れた能力、思考力をもっており、議院内のどの陣営からも必要とされていた。ロイヤリスト・コミッティは分離主義者との交渉を予測して作られた組織だったが、<共和国主義者会議>という名前の通り、彼らは銀河への愛国心のみによって団結していた会議で、様々な意見をもつ議員が所属していた。共和国軍創設の是非を問う討論がこの会議で行われたときにはオーガナとパルパティーン、それにパドメ・アミダラらは反対にまわったが惑星マラステア選出のアスク・アークらは賛成にまわった。結局のところクローン軍は秘密裏に組織されており、この投票は実質的には役に立たなかったのだが。
中道左派だったオーガナは平和主義者でもあったが、いざというときに戦う心構えはあり、その決意がのちに彼を反乱軍創設へと向けさせた。のちにモン・モスマは、反乱同盟軍の全体構想を練ったのは実はオーガナであったと話している。
[編集] 作中の描写
『エピソード2 クローンの攻撃』ではわずかに登場しただけであったが、『エピソード3 シスの復讐』ではオビ=ワン・ケノービとヨーダをパルパティーンによるジェダイ抹殺指令(「オーダー66」)から救い出すのに重要な役割を演じている。映画ではジミー・スミッツが演じた。
なお、『エピソード1 ファントム・メナス』中、「惑星オルデラン選出の元老院議員」として紹介されたベイル・アンティリーズは別人である。