プレキャストコンクリート
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プレキャストコンクリート(Precast Concrete)は、工場などであらかじめ成型されたコンクリート製品を製作し、現場で組立や設置を行う工法、もしくはその製品を指す。また、単にプレキャストと略して呼ぶこともある。
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[編集] 概要
一般にコンクリート構造物は、建設現場において型枠を設置し、コンクリートを打設して造られる。これを場所打ち工法または現場打ち工法と呼ぶ。これに対し本工法では、専用工場においてあらかじめコンクリート製品を製作した後、現場へ運搬して設置を行う工法である。頭文字から、PCもしくはPCaの呼称が用いられる。小文字のaを付加するのは、同じくPCの略称が用いられるプレストレスト・コンクリートと区別するためである。
また、プレキャストコンクリート製品は、しばしば運搬可能な大きさに分割されることがあり、分割された製品をプレキャストセグメントと呼ぶ。
[編集] 特徴
- 専用工場で製作されるため、天候に左右されることなく、高い品質のコンクリート製品が得られる。
- 工場では型枠を規格化し、鋼製型枠とすることにより、繰り返し使うことができる。木製型枠の使用が原則で、繰り返し使うことが難しい場所打ち工法に比べ、森林資源の浪費を抑えることができる。
[編集] 大型のプレキャスト部材
地中に暗渠を設けるためのボックスカルバートや、橋を輪切りにして製作するプレキャストセグメント工法では、大型のプレキャストコンクリート部材が用いられる。工場からトレーラーで運搬する場合、公道を走るための法規が適用され、一般に重量は30t以下、長さは25m以下、最小寸法3.4m以下がひとつの目安となる。
しかし、現場付近にプレキャスト製品を作るための製作ヤードを設け、現場までの運搬が公道に依らない場合はさらに大きな部材も可能である。大規模プレキャストセグメント工法が用いられた新名神高速道路揖斐川橋・木曽川橋においては、製作ヤードから架橋地点までの運搬を海上の台船により行うことで、長さ33m、最大重量440tに及ぶプレキャストセグメントが用いられた。