プラナリア
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?ウズムシ目 Tricladida | ||||||||
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Schmidtea mediterranea |
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分類 | ||||||||
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英名 | ||||||||
Planaria |
プラナリアは、扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物の総称。広義には、三岐腸目に属する動物の総称。さらに、渦虫鋼に分類される動物の総称とする説もある。体表に繊毛があり、この繊毛の運動によって渦ができることからウズムシと呼ばれる。淡水、海水および湿気の高い陸上に生息する。
消化管は体内で前後に伸び、分枝して体の隅々に至る。イトミミズやアカムシユスリカを食べさせると、全身の消化管に入ってゆく様子が見え、全身に消化管が分岐していることを観察できる。消化管は前に1本、後ろに2本伸びており、これが三岐腸目の名前の由来となっている。肛門はなく、出入り口が一緒である。脊髄のないかご状神経系を持ち、目は杯状眼でありレンズがない。
著しい再生能力を持つことから、再生研究のモデル生物として用いられる。進化的には前口動物と後口動物の分岐点に位置し、三胚葉性動物・脳をもつ動物としてもっとも原始的であることから、比較発生学・進化発生生物学でも用いられる。雌雄同体である特性から生殖生物学でも扱われる。水質に影響を受けることから指標生物でもある。
生物学でプラナリアという場合、日本ではサンカクアタマウズムシ科ナミウズムシ属のナミウズムシであることが多い。
[編集] 再生能力について
この動物の再生能力は著しく、ナミウズムシの場合、前後に3つに切れば、頭部からは腹部以降が、尾部側からは頭部が、中央の断片からは前の切り口から頭部、後ろの切り口から尾部が再生される。このような各部から残りの部分が正しい方向で再生されるのを、極性があるといい、具体的には何らかの物質の濃度勾配ではないかとされている。再生が秩序正しく行われるための体内の濃度勾配原因物質としてNou-darake遺伝子が同定されている。
- 頭に切れ込みを入れ3等分にすれば、3つの頭を持つプラナリアに再生する。
- ある学者がメスを使い100を越える断片になるまで滅多切りにしたが、その全ての断片が再生し100を越えるプラナリアが再生したという逸話がある。プラナリアが再生できる栄養環境さえあれば可能であるとされる。
- その大きな再生力の反面水質の変化には弱く、水質が悪化すると溶ける。その為、プラナリアを水質の指標とすることもある。