プラット・アンド・ホイットニー F100

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プラット・アンド・ホイットニー F100 (Pratt & Whitney F100) はアメリカのプラット・アンド・ホイットニー社によるF-15 イーグルとF-16 ファイティング・ファルコンに搭載されているターボファンエンジンである。

1970年プラット・アンド・ホイットニー社は後にF-15イーグルとなる次世代戦闘機向けのエンジン開発をアメリカ空軍と契約した。

1972年にF100-PW-100を搭載したF-15が初飛行を行ったが、初期から多数の問題が発生してF-15の導入遅延の一因となった。特にオグメンタ (Augmentor) に起因するスタグネーション・ストールの問題は重大で神経質なエンジンとも言われたが、F100-PW-100に大した手を加えていないF100-PW-200をF-16ファイティング・ファルコンに搭載した場合の発生頻度は相当に低いものであり、機体との組み合わせや使用条件に起因する問題とも看做された。

スタグネーション・ストールとは空力部品であるコンプレッサーブレードが流入空気の条件により失速しエンジンを停止してしまう問題で、停止時はタービンの過熱から火災に至ることもあるため迅速な再始動を要するがこの操作はエンジン停止による推力の消滅とあいまって戦闘機にとっては致命的な弱点となる。

F-15に搭載した場合では、高高度での高マッハ数での飛行中のパイロットの操作やエンジン自体の自動再点火による急なアフターバーナー点火操作に対して、フレームホルダーでの点火に失敗し流れ出た大量の燃料にエンジンコアからの燃焼ガスで着火して起こる爆発的な燃焼で発生した圧力波がダクトからファンにまで逆流してコンプレッサーやファンを失速させる場合が多かった。対策として講じたアフターバーナー点火部へのセンサーの追加や燃料制御装置の改善により1000飛行時間における発生回数は1976年の11-12回から1981年末の同1-2回にまで収まり一応の収束を迎えた。

F100は、アメリカ空軍により1984年に始まった代替戦闘機に搭載する動力ユニットのコストを低減させるためのAFEプログラムにより、ゼネラル・エレクトリック F110と共にF-16C/D ブロック 3X以降の機体とF-15Eにおける交換搭載の対象となった。

[編集] 仕様

• タイプ：オグメンタ付きターボファンエンジン
• 全長：4.851 m (191 in)
• 直径：1.181 mm (46.5 in)
• 乾燥重量：1,696 kg (3,740 lb)
• 圧縮法：ファン3枚・10段軸流圧縮機
• バイパス比：0.36:1
• タービン：2段低圧・2段高圧タービン
• 推力：79.1 kN (17,800 lbf)
  • オグメンタ（アフターバーナー）作動時：129.6 kN (29,160 lbf)
• 圧縮比：32:1
• 燃料消費率：77.5 kg·kN/h (0.76 lb·lbf/h)
  • オグメンタ作動時：197.8 kg·kN/h (1.94 lb·lbf/h)
• 推力/重量比：7.8:1 (76.0 N/kg)

[編集] 外部リンク

• F100-PW-100/-200, www.globalsecurity.org（英語）