プラセオジムイエロー
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プラセオジムイエロー(Praseodymium yellow)は、セラミック顔料の1つで、ジルコン(ZrSiO4)に4価のプラセオジムイオンが固溶した黄色顔料。プラセオジム黄、プラセオ黄とも呼ばれる。緑がかった鮮やかな黄色を呈する。Color Index Generic Name はPigment Yellow 159である。
[編集] 製法
ジルコニア(ZrO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化プラセオジム(Pr2O3・4PrO2)を配合し、鉱化剤を数種添加、800~900℃に加熱する。その後熱湯で鉱化剤を抽出・除去する。別の製法としてはジルコンをアルカリ溶解後Pr2O3・4PrO2や鉱化剤を添加・焼成しても作られる。
[編集] 用途
プラセオジムイエローは様々なタイプの釉薬に使用でき、他のセラミック顔料との混色で多くの中間色を出すことができる。ターコイズブルーとの混色で緑色に発色し、サーモンピンクとの混色で橙色から茶色にかけての色調が得られる。また、プラセオジムイエロー単独では鮮やかながらも緑がかった黄色に発色するが、バナジウムティンイエローやバナジウムジルコニアイエローとの混色により緑みのない純粋な黄色を陶磁器で出すことができる。
セラミック以外ではイギリスのウィンザー・アンド・ニュートン社ではプラセオジムイエローを使って透明水彩絵具のレモンイエローディープを製造している。セラミック顔料は一般の無機顔料に比べると粉末の状態での色調は鮮明さに欠けるが、プラセオジムイエローは粉体でも比較的鮮やかな黄色を呈するため、絵具用としても利用されることになった。欠点としては着色力や隠蔽性が小さいことがあげられる。そのため、プラスチックの着色や塗料に使用することが出来ず、プラセオジムイエローの用途はセラミックスの着色と絵具に限られている。