ブロックノイズ
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ブロックノイズ (blockiness, quilting) はデジタル映像圧縮を行った映像において画像の一部領域がモザイク状に見える現象である。このノイズは、模様やエッジのある部分よりも、グラデーションなどのっぺりした画像で特に目立つ。ブロック歪ともいう。
[編集] 概要
右の写真で、とくに空の色がグラデーションになっていないが、これがブロックノイズである。
MPEG-2やJPEGなどの高効率符号化方式では離散コサイン変換 (DCT) を採用している。この方式は画像を小さな矩形ブロック(MPEG-2では8×8ピクセル)に区分し、ブロック単位で効率の良い符号を割り当てることでデータ圧縮を行う。この際、各ブロックに対し割り当てられる情報量に上限があるため、高い周波数成分を省略することで圧縮、すなわち情報量の削減をしている。これを非可逆圧縮という。圧縮の割合が高くなるとそのブロックには本来必要な情報量が残っていないため、これを再生するとブロック内部の画像はぼける。しかし前記の方式では隣りのブロックとはぼけ具合が一致するとは限らず、結果的に各ブロックが不連続になることが原因の一つである。また、見た目では、ブロック間に段差が生じているように見えるものの、実際には段差自体は大きくない。段差のように見えるのは、エッジの傾きがブロック間で不連続であることや、ブロック内部では高周波成分が量子化により減少しているのに対してブロック境界では高周波成分が残ることが主な原因である。
伝送の際に十分な伝送帯域幅(ビットレート)があれば圧縮率を抑えることができ、ブロック歪は発生しにくくなる。またコンテンツの場面毎に異なる情報量に応じて圧縮の程度を変化させる、可変ビットレート符号化方式 (VBR) を採用することでブロック歪を発生させずに平均ビットレートを下げることも可能である。
ウェーブレット変換など、ブロックノイズが原理的には発生しない符号化方式もある。