フランソワ・ブーシェ
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フランソワ・ブーシェ(François Boucher, 1703年9月29日 - 1770年5月30日)は、ロココ時代のフランスの画家。
1703年、パリに生まれ、1770年、同地で没する。1723年ローマ賞を受賞し、1727年からローマに3年ほど滞在した(ローマ賞はフランスの絵画アカデミーにおいて若手の登竜門となっていた賞で、受賞者は国費でローマ留学ができた)。帰国後は、ポンパドゥール夫人をはじめとするパトロンの庇護を受け、上流社会の肖像画や神話画などを優雅なタッチで描いた。メートル・ド・プレジール(快楽に奉仕する画家の意)の称もある、フランスロココ絵画の典型的な画家である。多作家として知られ、油絵のほか、壁画装飾、タピスリーの下絵制作などの仕事も多い。
なお、ブーシェのいとこの息子は後に新古典主義の代表的画家となったジャック=ルイ・ダヴィッドである。
[編集] 代表作
- ヴィーナスの勝利(1740)(ストックホルム、国立美術館)
- 水浴のディアナ(1742)(ルーヴル美術館)
- 化粧(1742)(テュッセン=ボルネミッサ・コレクション)
- ジュピターとカリスト(1744)(プーシキン美術館、モスクワ)
- 朝(1744)(ストックホルム国立美術館)
- マリー=ルイーズ・オミュルフィ(1751)(ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク)
- ヴィーナスの化粧(1851)(メトロポリタン美術館)
- 日の出(1853)(ウォレス・コレクション、ロンドン)
- ポンパドゥール夫人(1758)(ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク)