フナクイムシ
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?フナクイムシ | ||||||||||
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Teredo sp. |
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分類 | ||||||||||
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属 | ||||||||||
テレド属 Teredo |
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英名 | ||||||||||
Shipworm |
フナクイムシ(船喰虫)はムシとついているが実際は貝の仲間である。その生態は独特で、海中の木材を食べて穴を開けてしまう。
細長い蠕虫(ぜんちゅう)状の姿をしているが二枚貝の特徴を失っておらず、木を齧るための二枚の貝殻が体の前面にある。虫状の部分は水管に当たる。巣穴は外に口が開いており、ここから水管を出して水の出し入れをする。
木のセルロースをデエー腺(gland of Deshayes)と呼ばれる特殊な器官のバクテリアによって消化することができる。いくつかの属があるがその中でもテレド属がよくみられる。
木材の食害がひどいのでこれを避けるための多くの研究がなされた。
1800年代初頭、英国のエンジニア、マーク・ブルネルは、どうやってフナクイムシの貝殻は木を掘ると同時に木材の膨張から身を守るのかを観察した。これにより彼はモジュール式の鉄の枠組みを使ってトンネルを掘り進むシールド工法を発明し、テムズ川の脆弱な川底の下を通るトンネルの工事を成功させた。これほどの幅をもつ可航河川の下へ潜るトンネルはこれが最初であった。その後Greatheadによって改善されたシールド工法は、現在もトンネル掘削において盛んに行われている。