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ヒラセガメ - Wikipedia

ヒラセガメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

?ヒラセガメ
種の保全状態評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
画像:Status iucn2.3 EN.svg
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
爬虫綱 Reptilia
カメ目 Testudines
亜目 潜頸亜目 Cryptodira
上科 リクガメ上科 Testudinoidea
イシガメ科 Geoemydidae
ハコガメ属 Cuora
ヒラセガメ C. mouhotii
学名
Cuora mouhotii
(Gray, 1862)
和名
ヒラセガメ
英名
Keeled box turtle
Jagged shell turtle

ヒラセガメCuora mouhotii)は、動物界脊索動物門爬虫綱カメ目イシガメ科ハコガメ属(ヒラセガメ属Pyxideaとする説もあり)に分類されるカメ。

目次

[編集] 分布

  • C. m. mouhotii ムオヒラセガメ

模式産地はタイインド北西部、タイ北部、中華人民共和国(南部および海南島)、ベトナム北部、ミャンマー北東部、ラオス北部

  • C. m. obsti オプストヒラセガメ

ベトナム中部

[編集] 形態

最大甲長20.2cm。背甲は上から見るとやや細長い。背甲の色彩は褐色や黄褐色、赤褐色、暗褐色の一色で斑紋は入らない。椎甲板肋甲板に3対の筋状の盛り上がり(キール)が入る。英名のKeeledは「竜骨のある」の意で、キールに由来する。肋甲板のキールの間は平たくなる。縁甲板は鋸状に尖り、後部では顕著。英名のJaggedは「ギザギザした、尖った」の意。 腹甲は大型。腹甲には正中線上に前方は浅い、後方には深い切れこみがある。腹甲の色彩は黄色や淡褐色で、甲板毎に暗色の斑紋が入る。胸甲板と腹甲板の間に発達した蝶番があり、蝶番から前部の腹甲(前葉)および蝶番から後部の腹甲(後葉)を稼動させることができ頭部と四肢を収納した後に閉じることができる。

頭部は大型で褐色。暗色の虫食い状の斑紋が入ったり、個体によっては側頭部に明色の斑点や細い縦縞、黒く縁取られた黄色く太い縦縞が入る。吻端は鉤状になる。四肢は大型の鱗で覆われる。指には水掻きは発達していない。四肢や尾は灰色や灰褐色、黒。

幼体は蝶番があまり発達せず可動しない。オスは虹彩が赤や赤褐色になる個体もいる。メスやオスの亜成体は虹彩が黄褐色。

  • C. m. mouhotii ムオヒラセガメ

背甲は角張り、中央部より後部で最も幅が広くなる。腹甲の外縁に、暗色の斑紋が入る。

  • C. m. obsti オプストヒラセガメ

背甲は丸みを帯び、中央部で最も幅が広くなる。腹甲には暗色の放射状の斑紋が入る。

形態からヤマガメ属、幼体の蝶番が発達しないことからマルガメ属、1属1種のヒラセガメ属に分類されることがあるが、最近は分子系統学の研究結果からハコガメ属に含める説が有力とされる。本種とモエギハコガメの種間雑種がモエギハコガメの亜種ノコヘリモエギハコガメとして記載されたこともある。現在はノコヘリモエギハコガメの学名は抹消されている。

[編集] 亜種

  • Cuora mouhotii mouhotii (Gray, 1862) ムオヒラセガメ
  • Cuora mouhotii obsti Fritz, Andreas & Lehr, 1998 オプストヒラセガメ

[編集] 生態

山地にある常緑広葉樹林落葉広葉樹林等に生息する。

食性は雑食で、野生の食性は不明だが飼育下では昆虫類節足動物ミミズ、陸棲の貝類、動物の死骸、果物等を食べる。

繁殖形態は卵生で、飼育下では6-9月に1回に1-5個の卵を産んだ記録がある。

[編集] 人間との関係

種小名はHenri Mouhotへの献名

開発による生息地の破壊や、食用目的の乱獲等により生息数は激減している。そのため2002年にワシントン条約付属書II類に掲載された。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。流通量は少なく、輸送状態の悪さや飼育方法が不明だったこともあり命を落とす個体が多かった。近年は輸送状態が改善されたこともあり、以前に比べると飼育は難しくなくなった。2002年にワシントン条約付属書II類に掲載されたため流通量はさらに減少した。日本では飼育下での繁殖成功例もある。テラリウムで飼育される。よく床材に潜るため、掘ることができて湿度も保つことのできる腐葉土やヤシガラ土等の甲高程入れる。餌の好みが個体により異なり、餌付かない個体や偏食する個体もいる。個体によっては人工飼料も食べる。昆虫類も食べるが捕食が下手なため、コオロギ等は後肢を取るのではなく殺してから与えた方が良い。飼育下では水場によく入るが泳げないため、水場は浅いものにする。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑』、ピーシーズ、2002年、203頁。
  • 安川雄一郎「オカハコガメ属とヒラセガメ属の分類と生活史(後編)」『クリーパー』第23号、クリーパー社、2004年、8-19、40-42頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、54-55頁。

[編集] 外部リンク

他の言語


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