ヒドロキノン
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ヒドロキノン | |
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IUPAC名 | ヒドロキノン(許容慣用名) 1,4-ベンゼンジオール 1,4-ジヒドロキシベンゼン(系統名) |
別名 | p-ベンゼンジオール p-ジヒドロキシベンゼン |
分子式 | C6H6O2 |
分子量 | 110.11 g/mol |
CAS登録番号 | [123-31-9] |
形状 | 白色結晶 |
密度と相 | 1.3 g/cm3, 固体 |
相対蒸気密度 | 3.8(空気 = 1) |
融点 | 172 °C |
沸点 | 287 °C (昇華性あり) |
SMILES | OC1=CC=C(O)C=C1 |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
ヒドロキノン (hydroquinone) は、化学式 C6H6O2、分子量 110.11 の二価フェノール。ハイドロキノンと表記される場合が多い(英語の発音は「ハイドロキナン」が近い)。体系的なIUPAC命名法では 1,4-ベンゼンジオール、p-ベンゼンジオール。ヒドロキノンの名称はこの化合物がp-ベンゾキノンの還元によって得られたことから来ている。ヒドロキシ基の位置が異なる異性体としてカテコール (1,2-体)、レゾルシノール (1,3-体)がある。
目次 |
[編集] 性質
常温常圧で無色の固体。水にもエーテルにも可溶。動物実験などにおいてはフェノールと同様に変異原性が認められている。
還元力が強く、容易に酸化されて p-ベンゾキノンとなる。
[編集] 用途
合成や写真の現像において還元剤として用いられる。また重合防止剤及びその原料、染料の原料、ゴムの酸化防止剤原料、エンプラ原料、農薬原料等としても利用されている。ヒドリドを放出してベンゾキノンとなる事ができるため、ヒドリド源としても用いられる。その強力な漂白作用を利用し、医薬部外品として美白剤として処方されることもある。これら製品の使用中および使用後はサンスクリーンの使用や肌を守る為の衣服の着用が勧められている。
[編集] 合成法
主に、フェノールの酸化により製造される。
酸化剤として過酸化水素、触媒にベータゼオライト (H-BEA)、助触媒にジエチルケトンを用い、フェノールを酸化する。この際ヒドロキノンと共にカテコールが併産される。H-BEA をアルカリ土類金属でイオン交換することにより選択性が改善する。環境負荷の少ない過酸化水素を酸化剤に用いたヒドロキノン合成プロセスという点では宇部興産によりすでに実用化されていたが、ここで紹介した反応法は、それをさらに改善するための研究で発見されたものである。
過硫酸カリウムを用いるエルブス過硫酸酸化も、フェノールからヒドロキノンを得る一手法である。
p-ベンゾキノンを亜硫酸などの適当な還元剤により還元することによっても得られる。
[編集] 製造者
生産能力の大きい順にローディア(仏)、三井化学、イーストマンケミカル(米)、ボレガード(伊)、射陽化工(中)が主な製造者である。
[編集] 医薬部外品としてのヒドロキノン(ハイドロキノン)
医薬部外品としてのヒドロキノン(皮膚薬の場合はハイドロキノンと呼ばれることのほうが多い)は、その強力な漂白作用を利用したもので、美白剤として皮膚科などで処方されるほか、薬局などでヒドロキノン配合の軟膏・クリーム等が市販されている。市販のヒドロキノン剤は通常2%~4%程度の濃度のものが多い。
ビタミンAの一種であるトレチノインと併用することで、皮膚の漂白効果がより高まるとされている。トレチノイン製剤であるスティーバAを発売しているアメリカの製薬会社 Stiefel Laboratories, Inc.はクラリダームDSという商品名の4%の濃度のハイドロキノンクリームを発売している。日本ではドクター・シーラボなどの化粧品メーカーがハイドロキノンクリームを発売している。
[編集] 参考文献
- 後口、叶木 ゼオライト 2004, 21, 64.[1]