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ヒストリア・ブリットヌム - Wikipedia

ヒストリア・ブリットヌム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ヒストリア・ブリットヌム』(Historia Brittonum)とは七王国時代に編纂された歴史書。この名はラテン語としての名前で、日本語では『ブリトン人の歴史』と訳されている事もある。

この書は833年から遠くない時期にその原本が編纂された歴史書で、様々な「修正」が加えられた形で現存している[1]。この書はブリテン島に居住していた初期のケルト系ブリトン人の歴史に関するものとされ、また信頼できる資料が欠如しているためにこの書の記述にもとづいてウェールズイングランドの歴史が著述されていた。さらにアーサー王伝説に関する記述も見られる。

ネンニウスがこの書の著者とされているが、これに関しては疑問符も持たれている。

目次

[編集] 内容

内容は古来の書物からの抜粋、年代記、注解、要訳を集結されたものである。もとになった書物の多くは現存していない。この結果、この書の歴史的な資料としての信頼性は疑問視されている。考古学者のレズリー・アルコックが発見した事によると、ある改訂で改訂者はこの仕事を「自らが知りうる事全て」と称していたらしい。この比喩を派生させていくと、この書の内容は、

記念碑のように積み上げられた石のようで、均等でなく、組み立ても粗雑だ.....歴史家の仕事の類としては全くでたらめだ。しかし、この短所にはある種の価値がある。我々は積み立てられた記念碑のひとつひとつを見る事ができるし、場合によってはその断片を手にしてもともとあった姿を追ってもともとの時代とあるべき姿を構築させる事ができる。
—レズリー・アルコック著『Arthur's Britain: History and Archarlogy AD367-634』、32頁。

別の見方としてはデビット・ダンヴィル教授の解釈もある。彼は内容の伝播と改訂ごとの関連性を徹底的な調査を行い、元本が世に出た時代から現存する写本が作られた時代まで幾度となく様々な形での内容の改訂、追加、修正があったと結論づけている[2] 。また彼はこの書の当初の意図はその時代のヒベルニアの歴史の都合に合った年代記を作り出す事であったと言う。またこの書ではベーダ・ヴェネラビリスの『イングランド教会史』を補足する形でウェールズの歴史が語られている事から、この需要にあわせる形で修正、改訂が行われたとも述べている。

N.J.ハイガムによればこの書は825年から844年の間にグウィネッズ国のマーフィン・フィンチ・アプ・グィリアドに捧げられて執筆されたと述べている[3]

[編集] 著者について

前述のように9世紀のウェールズに生きた修道士ネンニウスが著者とされている。しかし様々な改訂を綿密に調査した結果、ある写本の筆記者たちが知る書き手としてその名が触れている事から、ギルダスもその著作に関わっていたのではとも思われている。一方で別の写本(例えば大英図書館に納められている写本(Harleian 3859))は著者の名には一切触れられていない。ダンヴィルの調査で、この書がネンニウスの業績に付せられているのは10世紀の改訂からであり、この時代の知的な伝統としてこの写本の筆写を根付かせようとしたある筆記者の手によるものだという事が分かっている。

[編集] アーサー王との関連性

『ヒストリア・ブリットヌム』は、それがアーサー王に関する伝説や神話を広めた役割を担ったという事から非常に注目されていた。この伝承は複数の説話を基としており、その中の一部は時代が減る中で書き手によって繰り返されたり誇張されたりしている。

[編集] ヴォーティガン

ヴォーティガンの説話として、彼がサクソン人の長ヘンゲストの娘との婚姻のためにサクソン人を招きいれたとある。

[編集] マーリン

ヴォーティガンはスノードン山の近くにディナス・エミリュス(Dinas Emrys)という城砦を築こうとしたが、うまくいかなかった。これを解決するために彼はアウレリウス・アンブロシウスと戦ったと言う。モンマスのジェフリーはこの話を彼とマーリンの話に置き換えている。

[編集] アーサー王の戦い

56章にアーサー王が関わったとされる12の戦いを並び立てた詩の要訳と思われるものがあるが、いくつかはアーサー王との関連性がはっきりとしないものもある。

ここで、アーサーはブリテン島の全ての王と軍とともにサクソン人と戦った。彼よりも高貴な者は幾多とあれども、彼は軍を率いし者、しばしば敵を征服せしめし者として12回も選ばれた。彼が行った最初の戦闘はグレイン(Glein)川河口にて行われた。2回目、3回目、4回目、5回目の戦いはブリトン人がリンヌイス(Linnuis)のドゥブグラス(Dubglas)と呼ぶ別の川で行われた。6回目はバッサス(Bassas)川で、7回目はブリトン人がキャット・コイト・チェリドン(Cat Coit Celidon)と呼ぶチェリドン(Celidon)の森の近くで、8回目はグルニオン(Gurnion)川にて行われ、ここでアーサーは自らの肩に聖なる処女、神の母の御姿が宿るのを覚え、イエス・キリストと聖マリアの御力を通じてサクソン人たちを敗残せしめ彼奴等を一日で殲滅せしめた。9回目はケア・レオン(Cair Leon)と呼ばれる「地域の都市」で、10回目はトリブルイト(Triburuit)川で、11回目は我々がキャット・ブレグオイン(Cat Breguoin)と呼ぶブレグオイン山で行われた。12回目は最も激しい戦いで、アーサーはバドン山を貫いた時であった。この戦いで900と40もが彼の手のみで斃され、神以外の何者も彼の助けに適う者はいなかった。この戦いでブリトン人は勝利した。神の御意思に抗する力などないがゆえに。
—56章

ここに書かれる戦いのほとんどが場所を特定できていない。コイト・チェリドンはスコットランド南部をかつては覆っていたと考えられている広大な森の事を指していると一般的に考えられている。グルニオンとはウィンチェスターの事ではないかとしばしば指摘される。「地域の都市」が指すところとしては現イングランド北部のチェスターないしウェールズ南部のカーレオン(Caerleon)だと思われている。ブレグオインとは英語に直すと「白き丘」、すなわちダービーシャーのホワイト・ピーク(White Peak)の可能性が挙げられている。バドン山についてはイギリス国内でいくらでも候補が挙がっている。

[編集] 奇異伝

73章に、一部がアーサー王と関係のあるとされる奇異伝も書かれている。

ブエルトという地域に奇妙なものがある。そこには石が積み重ねられて一番上には犬の足跡の形がついている石が置かれていた。これはつわものアーサーの犬であったキャバルがトロイントと呼ばれた猪を追っていたときに石に足跡がつき、後にアーサーは石を積んだ小山を作りその上にキャバルの足跡のついた石を置いた。これをカルン・キャバルと呼ぶ。人々は来て昼夜にかきえてその石を持ち去り、翌日積み上げられた石山の上に乗せられた。

エルチングと呼ばれるところにも奇妙なものがある。リカート・アミルと呼ばれる泉の隣に墓石がある。そしてそこには地名の由来となったアミルと呼ばれる者が葬られている。この者はつわものアーサーの息子であり、アーサー本人に殺されまさにこの場所に弔われたと言う。人々が来て墓を計ったところ6フィートの長さがあり、ある時は9フィート、ある時は12フィート、またある時は15フィートもの長さがあった。いかなる時に計ろうとも再び計ると同じ長さではなかった。そしてこれは私自身も試して見知っている事である。

—73章

この記述は前述の大英図書館にある写本(Harleian 3859)に見受けられる。しかし全てのものにあるわけではない。

[編集] 聖ゲルマヌスの記述

またヒストリア・ブリットヌムには5世紀初頭に失われつつあるキリスト教を伝道にブリタンニアへ来たガリアの司教聖ゲルマヌスについての章が起筆されており、現在では失われたと思われる伝記からの引用が記載されている。またこの聖者のみならず聖パトリックに関する珍しい伝承、ウェールズ語の章から始まる67世紀の北イングランドで起きた出来事の記述の断片と思われる箇所も見受けられる。

[編集] 脚注

  1. ^ この場合の「修正」とは内容の致命的な改訂の事を指す。例えば編纂した者が自分の脚色したものを作り上げるために内容に手を加えるといった意味である。
  2. ^ 彼の著作の多くに、例えば彼が翻訳した『3 ヴァチカン改訂版』ヒストリア・ブリットヌム(Cambridge: D.S. Brewer, 1985年)などに記されている
  3. ^ N.J. Higham、King Arthur: Myth Making and History(London: Routledge ' Kegan Paul, 2002年度刊)より。


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