ネームエントリー
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ネームエントリー(英語:name entry)とは、アーケードゲーム・家庭用ゲームなどのコンピュータゲームで、スコア(得点)とそれを記録したプレイヤー名を記録しておくための要素のことである。
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[編集] 概要
スコアなど、ゲームをプレイした結果の優劣を測る指標があるゲームでは、おのずと、他人とその結果を競い合うという要素が生まれてくる。 とくにアーケードゲームでは不特定多数のプレイヤーが様々な時間帯にプレイするため、自分と他人とのプレイの結果を比較して見るためにはゲーム側で、スコアとそれを記録した者を記録しておくことが求められる。
ただし記録に上位10件までなどの上限数があったり、電源を切ると記録が消えてしまうゲームもある。
[編集] ネームエントリーの方法
ネームエントリーができるようになるためには、以下のような条件を満たす必要がある。
- クリア時(またはゲームオーバー時)でのスコアがランキング圏内に入ること
- クリアまでのタイムがランキング圏内に入ること(レースゲームに多い)
- 対人戦の連続勝ち抜き人数がランキング圏内に入ること(対戦型格闘ゲームに多い)
条件を満たしていれば、プレイ終了後にネームエントリー画面が表示され、プレイヤーは名前(スコアネーム)を入れることができる。
なお一部のクイズゲームや、データを記録するためのカードを用いるゲームなど、名前をプレイ開始時(またはカードを作った時)にあらかじめ入力しておく形式のゲームでは、条件を満たせば自動的にスコアと名前が記録される。
[編集] ネームエントリーでの文字種
ネームエントリーでプレイヤーが入力できる文字種は、主に以下のようなものが用いられる。 入力できる文字数は、アーケードゲームではアルファベット・アラビア数字などの組み合わせによる3文字であることが多いが、十数文字の入力が可能なゲームも存在する。
ゲームコントローラのレバー(方向キー)とボタンで入力をさせる都合上、文字の選択は一覧表示されてカーソルを動かして入れたいものを選んだり、レバーの左右でアルファベット→数字→記号と順に選ぶような形式が多い。
近年のアーケードゲームでは、多くの文字数や平仮名・片仮名・漢字も用いることができるのもある。従前の一覧表示から選べるゲームのほか、携帯電話などネットワークを通じて外部から入力したり、手書き入力ができるものもある。
- アルファベット(ラテン文字)
- アラビア数字・ローマ数字
- 記号
- 「.」「-」「*」「?」「!」「/」「@」、その他、独自の記号など。
- 平仮名・片仮名・漢字
[編集] 入力できない文字
- なにも文字を選ばず決定だけをした場合や、何も操作をせずエントリーの時間切れになった場合には、自動で名前がメーカー名などに置き換わるゲームが多い。(例:カプコンのゲームであれば「AAA」→「CAP」)
- 「SEX」「KGB」など不特定多数が見るハイスコア画面に表示するのに相応しくないと思われる文字列の場合は入力が出来なかったり別の文字列に置き換わるゲームもある。(例:『アイドルマスター』では不適切な名前は「$倫理規定$」に置き換わる)
[編集] デフォルトのスコア
ほとんどのゲームは一定のスコアなどがデフォルトで記録された状態で出荷されるが、この記録はたいてい低めの数値に設定されており、実際のプレイで容易に更新することができる。
デフォルトで入っているスコアネームは、メーカー名やゲームのキャラクター名を元にした文字列であったり、開発者の名前であることが多い。(例:『グラディウス』の「H.M」→プロデューサーの町口浩康) 変わった例ではセガサターン版の『怒首領蜂』が挙げられ、これにはアーケード版のハイスコア保持者の名前が用いられている。
[編集] ネームエントリーの発展
従来のアーケードゲームでは、ネームエントリーでプレイヤー名とハイスコアを記録しても、その記録は入力した筐体にしか記録されない、完全なスタンドアローンの状態であった。また、電源を切ってしまうと記録が消えてしまうゲームも多かった。
近年のアーケードゲームではインターネットランキングが多く用いられている。プレイヤー名・ハイスコア・タイムなどの情報をパスワードとして変換し、それをインターネットの各ゲームのウェブサイト上で入力することにより、プレイヤー全体でスコアを競うことができる。
またe-AMUSEMENTやXbox Liveなどネットワークを利用したゲームの場合、スコアはネットワークを通じて自動で記録されて、リアルタイムでランキングの更新/閲覧が可能であるものが多い。