ナクル湖
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ナクル湖 | |
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所在地 | ケニア |
面積 | 40 km² |
最大水深 | 2.8 m |
平均水深 | 2.3 m |
貯水量 | 0.092 km³ |
水面の標高 | 1760 m |
湖沼型 | アルカリ栄養湖 |
ナクル湖は、ケニアのリフト・バレー州にある湖である。ケニア中央のナクルの南側にあり、ナクル湖国立公園の中心となっている。
湖岸には多くの藻が生えており、多くのフラミンゴが生息している。他にも多くの鳥が生息する。また、イボイノシシ・ヒヒ・クロサイ・シロサイなどの大型の哺乳類も生息している。
水面は1990年代前半までは下がる一方だったが、それ以降は回復を始めている。
ナクルとはマサイ語で「ほこりが立つ場所」の意味がある。ナクル湖国立公園はナクルを中心に1961年に制定された。最初はナクル湖と周辺の山々を含むだけの小さな物であったが、現在はサバンナの大部分を含む範囲に拡張されている。
[編集] ナクル湖国立公園
ナクル湖国立公園は、1961年にナクル及びナクル湖周辺の地域に設立された。ここは、数千から多いときで数百万のフラミンゴが巣作りをすることで知られている。湖の浅い部分はフラミンゴが多く水面が見えないところも多い。水や食べ物の状況によってフラミンゴの数は変わるが、最も条件がよいとされる場所は「ヒヒの谷(Baboon Cliff)」と呼ばれている。
ロスチャイルドによって、キリンやクロサイの保護のために湖の周りに188kmにわたる柵が張られている。
公園は、最近クロサイの保護のために範囲が広げられている。野生動物のために柵が張られているが、これは野生動物の行動範囲の制限よりも密猟者の侵入の阻止を主な目的にしている。公園内には25頭以上というケニア国内でも最大規模のサイの群れがいるため、生き残っている別の個体を見つける可能性もある。また、1977年以降にケニア西部から移送された大量のキリンもいる。ウォーターバックも生息しており、ケニア国内にいる2種は共に公園内でよく見ることができる。ライオンやヒョウなどの肉食動物も多く存在する。深い森の中では、木にぶら下がっていたり道を渡ったりする大型のアフリカニシキヘビを見ることもできる。
[編集] 生息する野生生物
ナクル湖はナイロビから160kmほど北にあるナクルの南側に位置する小さい(面積は5-45km2)アルカリ湖である。ナイロビからの1日観光の一部としてマサイマラ自然保護区やバリンゴ湖・東サンブルなどと共に回ることがある。湖は、世界一とも言われる鳥の光景(100万から200万羽のピンクのフラミンゴの群れ)で知られている。フラミンゴたちは温かい水に生える藻を食べる。科学者によれば、ナクル湖のフラミンゴが1年に食べる藻の量は250000km2に生える藻の量に相当する。フラミンゴは2種類いる。コフラミンゴはオオフラミンゴに比べ、くちばしが赤くと羽の色も濃い。コフラミンゴの方が数が多いため、ドキュメンタリーの映像などではよく利用される。フラミンゴの数は最近減少している。原因としては、観光客の増加・湖水の産業での使用や排水による汚染による短期間での急激な水質の変化が原因とされる。乾季の間や雨季に起こる洪水により、湖の水位が下がることがある。近年では、雨季と乾季の間で水位に大きな変化が起こる。これは、農地化や市街化が進み水の需要が増えたことと、雨季に地面が水を吸収するようになって洪水が減ったことの両方の可能性が疑われている。汚染や干ばつは、フラミンゴの餌となるある種のバクテリアや藻を減少させる。気候の変化も湖の環境の変化に影響を及ぼしていると考えられている。大規模なフラミンゴの群れの移動や死滅は観光などにも影響を及ぼすため、メディアの報道に多くの関係者が注目している。
湖に住む鳥はフラミンゴだけではなく、ペリカンや鵜のような魚を食べる鳥が存在する。小さい肴であるにもかかわらず、ティラピアは1960年代前半に放流されてから数を増やしている。湖及び公園内には400種以上の鳥が生息している。1000羽に及ぶ2種のカイツブリや白い羽根を持つ黒いアジサシ、セイタカシギ、ソリハシセイタカシギ、鴨などの他にヨーロッパからの渡り鳥も見られる。