ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒
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ジャンル | アクション/RPG |
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対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | キャビア |
発売元 | スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM |
発売日 | 2005年6月16日 (JP) |
価格 | ¥6,800 (JP) |
対象年齢 | CERO:15歳以上対象 |
『ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』(- ふういんのあか はいとくのくろ)は、2005年6月16日にスクウェア・エニックスから発売されたプレイステーション2用ソフトである。 2003年に発売されたドラッグオンドラグーンの続編(正確には前作で提示された複数の未来の一つであり、またどのエンディングともイコールではない)であり、 前作から18年後の世界が物語の舞台となっている。エンディングは3つ。
前作と今作ではテーマが大きく異なり、前作では圧倒的な摂理・運命という物に阻まれる「絶望」が非常に強く出ていたのに対し、本作ではそれを越えた所にある「希望」が強く現れており、エンディングの内容にもそれが現れている。ゲームシステムは前作のそれに部分的拡張を施しただけで、ほぼ同一である。サブタイトルの『封印の紅、背徳の黒』とはアンヘルとレグナのことを表している。 主題歌は中島美嘉の『ひとり』。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] プロローグ
18年前、連合軍と帝国軍との間で大きな戦争があった。 そして、一人の少女によって世界は崩壊への一途をたどっていた。 しかし後に英雄と呼ばれるカイムとその仲間たちの活躍によって世界の崩壊は防がれた。アンヘルの封印という犠牲の上に・・・・。 それから18年後、封印は英雄ヴェルドレにより結成された封印騎士団により守られていた。 そして、騎士団に所属する少年「ノウェ」、人々から聖女と崇められる女性「マナ」。 この二人の出会により止まっていた歯車は再び動き出すことになる。
[編集] 登場キャラクター
- ノウェ(声:勝地涼)性別・男、年齢・18歳
- 本作の主人公。生まれた頃からドラゴンに育てられ、竜語を話すことができる。封印騎士団に所属。『聖女』と呼ばれているマナと出会うことで運命が大きく変わる。セエレからは世界の『救世主』と呼ばれているが本人はその呼び名を嫌っている。封印騎士団から脱走した後、忘れられた遺跡にてマナと再会し、マナに今の世界の悲惨な状況を見せられ、マナと共に鍵を壊すことを決意する。世界崩壊のときに古の墓標の『種の書』にて、自分が真人類であることを知る。
- ノウェの出生の秘密は前作のBエンディングが深く関わっている。ノウェの正体は、イウヴァルトとフリアエの亡骸が再生の卵によって融合し誕生した存在であり、急速に進化した突然変異生物(イウヴァルトとフリアエの生まれ変わりでもあり、二人の遺児とも言える)。ノウェの耳にはイウヴァルトのピアス、腕にはフリアエのしていたブレスレットがつけられている(ブレスレットは兄のカイムとお揃いだった物。今作ではマナがしている)。
- 使用武器は片手剣と長剣。主人公であるためか入手できる剣の本数は非常に多い。戦士に強いがアンデッドに弱い。
- ノウェが覚醒した際に出る、背中の紋章(のような羽根)は、女神の紋章とイウヴァルトの契約紋章が合わさったものである。理由は上に書いてある通り、イウヴァルトとフリアエが融合した存在だからである。カイムの契約紋章と似ているようで別物。設定上は真人類の身体器官の一部(腕や足と同じ)となっている。
- レグナ(声:原田芳雄)性別・不明、年齢・不明
- ノウェを育てた蒼竜のドラゴン。人間の言葉を理解できる。ノウェの親代わりのため面倒をみることもしばしば。前作のレッドドラゴン『アンヘル』とは違い軽妙な台詞も目立つ。物語の進行で蒼竜から背徳の黒き竜に進化し最終章では古の竜の力を解放して神竜族の姿に進化する。
- ノウェに対し気遣いなど父性を感じる事もあるが、人間を見下しており、竜族こそ最上位種という自負がある。人間の救助もほとんどはノウェの意思であり、壊れたマナを前にノウェに平然と「捨て置け」と言うほど、わずかな情けもない。それはドラゴンの存在理由、血の記憶に忠実な、いわば完璧なドラゴンだからである。
- 実は前作でイウヴァルトと契約したブラックドラゴンである。18年の間に何があったのか…それは、『種の書』を深く読み解けば分かる。ストーリーの進行により形態が変化する。
- マナ(声:小雪)性別・女、年齢・24歳
- 本作のヒロイン。人々を苦しめる封印騎士団に反発を持つ。どんなときでも冷静沈着、巨大な困難も1人で立ち向かっていく。人々からは『聖女』と呼ばれているが、実は18年前に世界崩壊を引き起こした張本人(当時の記憶は失われていた)。カイムとの贖罪の旅の途中、カイムを刺して逃亡しようとするが失敗。逆に跳ね飛ばされ崖の下に落ち、ある魔導師に拾われ育てられる。そこで魔導を学び、人々を苦しめている封印騎士団を知る。以来、再びマナは18年前と同じく自分の手で封印を壊そうとする。ノウェと共に鍵を壊した後アンヘルが復活したことを知り、精神崩壊を起こす。古の墓標にて、幼いときの自分とカイムと贖罪の旅を見て過去に捕らわれるが、ノウェの無償の愛によって過去のトラウマから解き放たれる。
- 使用武器は杖。彼女の魔法は使用キャラの中で随一。また移動スピードも最速。魔術師に強いが魔物に弱い。マナを使用していない時は徐々にMPが回復する特徴がある。
- エリス(声:相武紗季)性別・女、年齢・18歳
- 封印騎士団に所属する女騎士。ノウェとは幼なじみ。ノウェのことを男として意識している。ノウェと共に行動するマナに強い不信感を抱き、激しく嫉妬する。マナを火あぶりに処す際など、時たま残虐性が垣間見える。しかし同様に、世界に仇なす行為を続けるノウェを心配している。最終封印、女神の代役であるアンヘルが死亡した際、女神として選定される。
- 使用武器は槍だが、(少なくとも一周目では)彼女の出番がかなり少ないので手に入る槍の本数は多くない。アンデッドに強く戦士に弱い。
- ユーリック(声:小山力也)性別・男、年齢・27歳
- 死の呪縛に囚われながら生きる男。きわめて明るく冗談混じりの発言が多いため、あまり本音が見えない。封印騎士団から逃げるためか、死神を模した仮面を着用している。前騎士団団長オローの部下で、オローに拾われたノウェにとっては兄貴のような存在だった。実は明命の直轄区の封印の守護者で、3年前の封印襲撃事件により重症を負い、オローを見捨てて逃げ出し死神と契約した。契約代償は『死』で、この世界で死んでも死神が体内に入り込み彼を再生させるため死ねないが、死自体は苦痛を伴う。明命の直轄区でのノウェとカイムの戦いでユーリックがノウェをかばったが、死ぬ直前にユーリックに入り込み実体を持った死神をカイムが攻撃し、死神が死んだため彼も死ぬことになった。
- 使用武器は斧。攻撃力は随一だが死なないという設定の割に防御力の成長値はかなり低い。また移動スピードも速くない。魔物に強く魔術師に弱い。ユーリックを使用していない時は徐々にHPが回復する特徴がある。
- ジスモア(声:立木文彦) 性別・男、年齢・44歳
- 現・封印騎士団長。3年前より、騎士団長の座につく。ジスモアは本編での地位に登りつめるまで、あらゆる汚い手を尽くしてきた。前作の敵である帝国軍の生き残りだった為、連合軍との戦争終結の後、ほぼ奴隷に等しい生活を強いられていた。そして「力こそ全て。強者が弱者を支配できる。」という強い信念の元に封印騎士団で恐怖政治を敷き統制を図る。人徳があり正義感にあふれていた前団長オローに対して羨望と憎悪を持っていた。そのため本編の3年前に起こった封印襲撃事件のときに罠を仕掛け、オローを殺害する事に成功。本編の主人公であるノウェにオローの面影を見ることに嫌気が差し、強大な竜の力を疎ましく思っていた。契約主は『シェイド』。契約代償は『肉体』で、シェイドを使って偽りの肉体を形成している。最期は天時の直轄区でノウェと戦い、鍵である聖砂漏を自ら破壊したため死亡した。
- カイム(声:池畑慎之介(ピーター))性別・男、年齢・42歳
- 前作の主人公。本編の18年前、帝国軍との戦いの渦中でレッドドラゴン・アンヘルと契約。契約代償は『声』である為に喋る事が叶わない。世界の滅亡を回避すべく最終封印になる事を申し出たアンヘルと離別した後、戦争の元凶となったマナを連れ各地を放浪していた。しかし数年後、仲間であった筈のヴェルドレの裏切りとそれによるアンヘルの声が消失した事に動揺し、持っていたナイフで隙を突いたマナに左目を奪われた(故に以降『隻眼の男』と呼ばれることに)。
- 本作の3年前に、ようやくヴェルドレの足取りを掴み、アンヘルを封印させまいとヴェルドレやオローを始め多くの人間を惨殺。しかし、これが災いして封印は完成してしまう。以降アンヘルにかけられた封印を解く術を求めて放浪している。アンヘルを縛る五つ全ての封印が破壊され、女神の城にて再会する。しかし、長年に渡る苦痛と絶望に心を失い声さえ届かぬ片割れの姿を前にして、ノウェ達にアンヘルの殺害を要請した(『声』を飛ばして要求した)。最期はアンヘルと共に、炎に包まれ微かに微笑み、灰と化した。最期の笑みは、イウヴァルトとフリアエ(つまりノウェ)に向けたものと言われる。
- 年齢は既に40をこえているものの戦闘力は非常に高く、一撃で多数の騎士団員達をなぎ払った。
- アンヘル(声:ピーター(池畑慎之介))性別・雌(単一性)、年齢・不明
- 前作の主人公、カイムと契約したレッドドラゴン。前作ではカイムと共に帝国軍と戦っていた。
- 最終封印が崩壊した後、カイムの生きる世界を守るべく、自ら最終封印となることを申し出た。その後、今作本編よりの前の神官長ヴェルドレの施した新封印制度により、アンヘルはさらに強い負荷を受けその存在は五つの“鍵”によりあらゆる自由を奪われた。見ることも、話すことも、そして「彼」の存在を感じることもできない漆黒の闇の中に封じ込められてしまう。鍵が壊されるたびにカイムはアンヘルに声をかけていた。
- 物語が進み全ての鍵が壊された時、アンヘルは復活した。アンヘルは人間に対する強すぎる憎悪により、世界を地獄の業火に包もうとしていた。最強のドラゴンを追うノウェ達は、ドラゴンの名を呼ぶ声に気付き、女神の城にたどり着く。そこにいたのは契約者、カイムだった。カイムとアンヘルは再会するが、封印の苦痛と憎悪は彼さえも忘れさせた。だがレグナとの戦いの中で次第にカイムの存在を思い出すアンヘルは、狂乱の中、必死に彼を探す。しかし、その瞳に彼が映る事は無く、力尽きて女神の城へ落ちる。そして死を前に正気に戻り、カイムとの念願の再会を果たした。最期はカイムと共に、炎に包まれ死を迎えた。
- 「アンヘル」とは天使の意で、綴りはそのまま「Angel」である。レグナの綴りはその正反対である「Legna」となっている。
- セエレ(声:村上想太)性別・男、年齢・24歳
- 前作にも登場している。本作では18年前に静かな森の宮殿跡にてヴェルドレに保護される。
- 6歳のときにゴーレムと契約して、その代償で時間を失い18年後の世界でも6歳の姿である。本編の3年前にヴェルドレが死んで以来、彼の遺言に従って神官長の職についている。体は成長しないが性的なことに興味があるのも事実で気にはなっているようだ。マナとは双子の兄妹ではあるが、セエレとマナの母は偏愛しており、セエレは溺愛していたが、マナには虐待を受けさせた上に山へ捨てた。この過去が原因でセエレは自分を追い詰め、何もできなかった自分の無力さに絶望している。
[編集] 新たに登場したフィールド
- 大神殿
- ノウェやエリスがいる封印騎士団の地である。ジスモアが封印騎士団の団長をやっている。ノウェがオローに拾われた後にこの地でエリス、ユーリックと共に剣の稽古をしていた。
- 明命の直轄区
- ノウェが正騎士になっての初めての任務を行った場所。ここの地域では魔物の数が多い。奥には、明命窟がありその中には鍵である『聖花』がある。『聖花』は命を吸って咲くため、人々や魔物がたくさんいる。さらにその最深部に命の祭壇があり、鍵である『聖花』が置かれてある。この地では本作の3年前に前神官長ヴェルドレや前団長オローが隻眼の男(カイム)に殺された出来事(封印襲撃事件)がおこり、ユーリックが死神と契約した地である。さらに本作ではノウェがカイムと戦い、ユーリックが死んだ地でもある。
- 気炎の直轄区
- 気炎の守護者であり、封印騎士団の連隊長でもあるザンポが治めている地域である。この地の奥には炎洞塁がありその中には鍵である『聖火台』があり。霧が濃いのも『聖火台』のせいである。本作の数年前にザンポがイフリートと契約をした地でもある。本作ではこの地でマナと出会う。炎の祭壇でマナはザンポと戦い、鍵である『聖火台』を破壊しザンポが死んだ地でもある。
- 神水の直轄区
- 神水の守護者であり、封印騎士団の連隊長でもあるハンチが治めている地域である。この地はノウェが前団長のオローに保護される前にレグナとこの地に暮らしていた忘れられた遺跡がある。この地には砂の村があるが環境は最悪である。神水の直轄区の鍵である『聖瓶』は大量の水を使うため川が干上がり水が飲めないため飢餓などで死ぬ人がたくさんいる、ノウェはマナと再会し、真実を見せられた。この地には、水城砦があり、そこでノウェとマナ、レグナが守護者のハンチの契約モンスター「ケルピー」と戦った地である。そこでハンチが死んだため鍵である『聖瓶』が破壊され、人々を封印騎士団の圧制から解放した。
- 宝光の直轄区
- 宝光の守護者であり、封印騎士団の連隊長でもあるヤハが治めている地域である。この地は錆の町があり、この町は18年前の連合軍と帝国軍の戦争の被害を免れた数少ない町である。この町は遊ぶ町であり、賞金稼ぎが多く封印騎士団もきているが治安はよくないらしい。本作ではこの町でノウェはユーリックと再会し、マナはカイムと再会した。鍵である『聖宝玉』がある光城郭の周辺には『聖宝玉』の影響で1日中太陽の光がなく、月や星の光もない暗闇の地域である。数年前、ヤハがノームと契約した地でもある。光城郭の最深部には、光の祭壇がありそこでノウェ、マナ、ユーリックはヤハの契約モンスター「ノーム」と戦い、ヤハが死んだ地域でもある。
[編集] 新たなゲームシステム
- ブレススフィア
- 上空戦にて、レグナが使える特殊効果があるブレス攻撃が可能になった。このゲームではそれぞれ違う特殊能力のブレススフィアが5種類存在する。ゲーム開始時は一つしか使用できないが、シナリオの進行により増える。
- ドラゴンオーバードライブ
- 低空戦で、レグナに一定の魔力を与えることにより地上の敵に広範囲で強力な攻撃ができる。技の種類はレグナが進化することにより増えてくる。(最大4種類まで)
- 第1形態 - ドラゴンオーバードライブは2種類(翼による攻撃、鉤爪による攻撃)
- 第2形態 - ドラゴンオーバードライブは3種類(翼による攻撃、鉤爪による攻撃、尾による攻撃)
- 第3形態 - ドラゴンオーバードライブは4種類(翼による攻撃、鉤爪による攻撃、尾による攻撃、ブレスによる広範囲攻撃)
- キャラクターセレクト
- 前作と違い、仲間の入れ替えが無制限となった。武器の種類によりキャラクター決定する。《使用できるキャラは4人まで(レグナは除く)》
- 長剣・短剣の種類 - ノウェ
- 杖の種類 - マナ
- 槍の種類 - エリス
- 斧の種類 - ユーリック
- 新コンボシステム
- □ボタンと△ボタンの組み合わせによりフィニッシュブローのタイプが決まってくる。長剣、短剣、杖、槍、斧、全部含め30種類ある。
[編集] エンディング
- エンディング1
- レグナが計算づくで育てていた事を知ったノウェ。神竜族の計画に反発するノウェは、レグナと袂を分かつ。死闘の末、レグナを倒したノウェだが、エリスは自ら最終封印となり、ノウェの前から姿を消した。
- エンディング2
- 神竜族の計画に乗り、神を倒す事を決意したノウェ。だが、「神の玩具」である『骨の棺』(※『骨の棺』とは、前作にも出てきた『再生の卵』の唯一特殊な存在。レグナは『骨の棺』と呼んでいる。前作ではアンヘルが『断頭台』と呼ぶ台詞があったが、これは普通の再生の卵の事)がマナと同化し、ノウェの前に立ちふさがる。ノウェは骨の棺を打ち破るが、マナは永遠に失われてしまう。ノウェはエリスと共に神との戦いに挑み、最後のエンディングでは再び騎士団を束ねることになった。
- エンディング3
- 骨の棺を破壊したものの、神竜族の計画に疑いを抱くノウェ。彼は豹変したレグナに剣を向け、苦しい戦いの末にこれを打ち倒した。神も竜もいない新しい世界で、ノウェはマナ、エリス達と共に生きていくのだった。前作も含め、唯一のハッピーエンドといえる。
[編集] スタッフ
- プロデューサー:柴貴正、岩崎拓矢
- プロダクトマネージャー:古林雅俊
- リードプログラム:片山武史
- キャラクターデザイン:藤坂公彦
- チーフデザイナー:横尾太郎
- ゲームデザイン:小竹宏明
- サウンドプロデューサー:あおい吉勇、松本良喜
- ムービーディレクター:関真
- ディレクター:安井章
[編集] 小説版
- 上記にあるエンディング3を元に書かれた物。
[編集] 外部リンク
- DRAG ON DRAGOON 2 (スクウェア・エニックス公式ページ)