トガリネズミ
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トガリネズミ科 Soricidae |
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亜科・属 | ||||||||||||
トガリネズミは、トガリネズミ目のトガリネズミ科 Soricidae に属する小型哺乳類の総称。モグラ目全種のうち、70%の種数を占め、日本には2亜科4属13種20亜種が分布する(うちジャコウネズミ Suncus murinus は移入種)。「~ネズミ」という名前から誤解されやすいが、齧歯類(ネズミ目)ではなく、系統的にはモグラやハリネズミと近縁のグループである。ハツカネズミに似ているが、鼻先が細長くとがっており、耳や目は小さく、体はやわらかい灰茶色のビロードのような毛で覆われている。
狭義には、ジネズミ類をのぞいたトガリネズミ亜科の動物、あるいはさらにカワネズミ属やジャコウネズミ属を除いたトガリネズミ属 の動物を、トガリネズミ類と呼ぶ。
トガリネズミ属のうち、コビトトガリネズミやトウキョウトガリネズミなどいくつかのものは、哺乳類中もっとも小型の種である(トウキョウトガリネズミは日本にも棲息)。また、北米に生息するブラリナトガリネズミは、毒性のある唾液を持つことで知られている。
なお、日本に棲息するトガリネズミ属の動物に、和名を単に「トガリネズミ(またはバイカルトガリネズミ)」というもの(Sorex caecutiens)がある。
腹部から強烈な臭いを発するため、キツネや猫などは死骸さえ食べない。
[編集] 形態
[編集] 生態
夜行性で、主に昆虫類やミミズ、甲殻類等を捕食する。
[編集] 日本のトガリネズミ類
- トガリネズミ亜科
- トガリネズミ属 Sorex
- (チビトガリネズミ S. minutissimus )
- トウキョウトガリネズミ(亜種) S. m. hawkeri 【北海道/絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)】 世界最小の哺乳類の1つ。
- ヒメトガリネズミ(カラフトヒメトガリネズミ) S. gracillimus 【北海道】
- (アズミトガリネズミ S. hosonoi 【本州等/固有種】)
- (トガリネズミ(バイカルトガリネズミ) S. caecutiens )
- エゾトガリネズミ(亜種) S. c. saevus 【北海道】
- (シントウトガリネズミ S. shinto) 【固有種】 バイカルトガリネズミ S. caecutiens の亜種とする説もある。
- ホンシュウトガリネズミ(亜種) S. s. shinto 【本州等】
- シコクトガリネズミ(亜種) S. s. shikokensis 【本州等】
- オオアシトガリネズミ S. unguiculatus 【北】
- サドトガリネズミ S. sadonis 【佐渡島/準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)/固有種】
- (チビトガリネズミ S. minutissimus )
- カワネズミ属 Chimarrogale
- カワネズミ C. platycephala 【本州等/固有種】 大陸に広く分布する C. himalayica と同種とする説もある。
- ジャコウネズミ属 Suncus
- トガリネズミ属 Sorex
- ジネズミ亜科