ツイン・ピークス

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表・話・編・歴

『ツイン・ピークス』(Twin Peaks) は1990年 - 1991年にかけてアメリカ合衆国で放映されたテレビドラマシリーズ（序章＋本編29話）。 デヴィッド・リンチが製作総指揮と監督、出演もしている。脚本はマーク・フロスト。ダイアン・キートンやスティーヴン・ギレンホール（ジェイクとマギーの父親）も一部監督を務めている。北欧を思わせるような風景が印象的。

劇場版の『ツイン・ピークス～ローラ・パーマー最期の7日間』についても本項で述べる。

目次 1 受賞 2 あらすじ 3 キャスト 4 撮影秘話 5 関連事項 6 ツイン・ピークス／ローラ・パーマー最期の7日間 7 DVD 8 外部リンク

[編集] 受賞

• ゴールデングローブ賞 - 3部門受賞。（テレビドラマとしては異例）
• エミー賞 - 30部門ノミネート。6部門で受賞。

[編集] あらすじ

アメリカ合衆国北西部の田舎町ツイン・ピークス。町一番の人気者、ローラ・パーマーの遺体がビニールに包まれ、湖畔で発見される。同じ頃、州境を越えた線路上で、別の少女ロネット・ポラスキーが極度の緊張状態で保護される。州をまたがる犯罪のおそれがあるためFBI特別捜査官デイル・クーパーが町に派遣される。ローラの爪の下にタイプされた紙片が押し込まれている共通性から、クーパーが追っている一年前のテレサ・バンクス事件と、同一犯の可能性を見出す。

その後の調査でクーパーは、ローラの性格と交友関係は見かけどおりではなく、町の住人たちが抱いている健全なイメージとはかけ離れているという確信を急速に強めていく。一方、彼女を取り巻くツイン・ピークスの住人たちも、事件をきっかけに裏の顔を覗かせはじめる…。

[編集] キャスト

• デイル・クーパー FBI特別捜査官…カイル・マクラクラン（原康義）
• ハリー・S・トルーマン…マイケル・オントキーン（銀河万丈）
• アンディ・ブレナン…ハリー・ゴアス（幹本雄之）
• ルーシー・モラン…キミー・ロバートソン（安達忍）
• トミー・“ホーク”・ヒル…マイケル・ホース（中田和宏）　
• ゴードン・コール FBI地方捜査主任…デヴィッド・リンチ（村松康雄）
• リーランド・パーマー…レイ・ワイズ（沢木郁也/堀勝之祐）
• セーラ・パーマー…グレイス・ザブリスキー（竹口安芸子）
• ローラ・パーマー、マデリーン・ファーガソン…シェリル・リー（高島雅羅/小山茉美）
• ベンジャミン・ホーン…リチャード・ベイマー（秋元羊介）
• オードリー・ホーン…シェリリン・フェン（紗ゆり）
• ジョスリン・“ジョシー”・パッカード…ジョアン・チェン（堀越真己）
• キャサリン・マーテル…パイパー・ローリー（達依久子）
• ピート・マーテル…ジャック・ナンス（伊井篤史）
• Dr.ウィル・ヘイワード…ウォーレン・フロスト（村松康雄）
• ドナ・ヘイワード（テレビシリーズ）…ララ・フリン・ボイル（高山みなみ）
• ノーマ・ジェニングス…ペギー・リプトン（松岡洋子）
• ハンク・ジェニングス…クリス・マルキー（郷里大輔）
• レオ・ジョンソン…エリック・ダレー（大塚明夫）
• シェリー・ジョンソン…メッチェン・アミック（榊原良子/-）
• ジェームズ・ハーリー…ジェームズ・マーシャル（竹村拓/大塚芳忠）
• エド・ハーリー…エヴァレット・マッギル（若本規夫）
• ネイディーン・ハーリー…ウェンディ・ロビー（山田礼子）
• ガーランド・ブリッグス少佐…ドン・S・デイヴィス（辻村真人）
• ボビー・ブリッグス…ダーナ・アッシュブルック（二又一成/檜山修之）
• マイク・ネルソン…ゲイリー・ハーシュバーガー（村松守平）
• マーガレット・ランターマン（ログ・レディ）…キャサリン・E・コールソン（巴菁子）
• ロネット・ポラスキー…フィービー・オーガスティン（沢海陽子）
• リチャード“ディック”・トレメイン…イアン・ブキャナン（中尾隆聖）
• エブリン・マーシュ…アネット・マッカーシー（横尾まり）
• ウィンダム・アール…ケネス・ウォルシュ（原田一夫）

デイヴィッド・ドゥカヴニー、ビリー・ゼイン、ヘザー・グラハム、カレル・ストルイケンなども出演していた。

[編集] 撮影秘話

撮影中リンチは臨機応変あるいは場当たり的な配役や演出を取り入れている。

• 当初シェリル・リーは死体役としてオーディションを受けたが、リンチに演技力を認められマデリーン役として再出演することになった。また、写真立てに入った学園祭時のローラの写真はシェリルの私物で、実際の大学祭用写真がそのままドラマに使われた。
• 作中で重要な存在であるキラー・ボブ役のフランク・シリングは撮影当初は大道具のスタッフとして参加していた。オープニングで見られる「ツイン・ピークス」の看板を道路脇に打ち立てたのも彼である。リンチの目に留まり、出演することになった。フランクは1995年心臓発作のため、46歳で死去。
• 当時俳優志望だったハリー・ゴアスはリムジンの運転手をしていたが、たまたま乗り込んだリンチがアンディ役に抜擢した。
• そのほか、照明の調子が悪いことをそのままフリッカー現象として使用したり、鹿の首飾りを壁からはずして机に置いたりと、場当たり的な演出も多く採用している。
• 当時、カイル・マクラクランはララ・フリン・ボイルと交際していたようで、デート風景が度々目撃されていた。

[編集] 関連事項

• アメリカ、日本共に“謎”が大ブームを呼んだ。パイロット版のアメリカでの視聴率は21.7%、チャンネル占拠率が33%であった。物語後半にはリンチ自身がカメオ出演するなど、登場人物が増えていき、ストーリーも複雑さを増していく。視聴率は低迷し、製作側はリンチ監督に突然打ち切りを通告。これに腹を立てたリンチ監督が、続きを作れないような終わり方をしたという最終回には、賛否両論がある。同時に不可解な物語の終了は、リンチ作品全般に見られるものでもある。

• 1991年にツイン・ピークス公式カレンダーが発売予定になったが、1990年12月に発売された成人雑誌PLAYBOYで、オードリー役のシェリリン・フェンがヌードを披露したため、お蔵入りとなった。

• 日本でのブームにはWOWOWでの放送が大きく影響を与え、当時チェリーパイが流行したり、ロケ地のワシントン州スノカルミー (Snoqualmie) 周辺を回るツアーなども実施された。

• ツイン・ピークス終了後、リンチは再びフロストとともに放送業界の裏側を描いた『オン・ジ・エアー (On The Air)』というTVドラマを制作するも、不人気からワンシーズンで打ち切りとなった。

• ツイン・ピークスの前編にあたる新作『With a Thousand Angels』という映画企画があったが、リンチからの許可を得られず制作には至らなかった。フロストはカイル・マクラクラン演ずるクーパー捜査官の登場する続編制作を企画している。

• 現在でもアメリカではケーブルテレビなどで再放送されている。

• ちなみに「ツイン・ピークス」とは英語の俗語で「バストの稜線」を意味する。

[編集] ツイン・ピークス／ローラ・パーマー最期の7日間

ドラマ版が終了して1991年冬には劇場版が公開された。原題は『Twin Peaks: Fire Walk With Me』。監督をデヴィッド・リンチ本人が手がけている。内容はパイロット版以前の物語で、ローラ・パーマーが殺害される夜までが描かれている。

ドラマ版に登場した人物はドナ・ヘイワードがララ・フリン・ボイルからモイラ・ケリーに変更された以外は同じキャストが演じている。本作からの登場人物にはデイヴィッド・ボウイやキーファー・サザーランドや多くのリンチ作品に出演しているハリー・ディーン・スタントンが出演している。

『マルホランド・ドライブ』や『インランド・エンパイア』ほど難解では無いにしろリンチ特有の世界観が強く反映された作品で、『ツイン・ピークス』の劇場版として観にいった観客からはあまりいい反応は得られなかったものの、今ではリンチの作品として高い評価を寄せられている作品でもある。

日本公開時にはカイル・マクラクランが来日している（彼の演じるクーパー自体の出番は少ないが）。この様子は2002年9月に発売されたDVDの映像特典に収録されている（2007年11月に発売された廉価版には未収録）。

映画版の登場人物

• フィリップ・ジェフリーズ…デイヴィッド・ボウイ（大塚芳忠）
• サム・スタンリー FBI捜査官…キーファー・サザーランド（伊藤和晃）
• チェスター“チェット”・デズモンド FBI特別捜査官…クリス・アイザック（大塚明夫）
• カール・ロッド…ハリー・ディーン・スタントン（千田光男）
• テレサ・バンクス…パメラ・ギドリー（色川京子）
• ドナ・ヘイワード…モイラ・ケリー（佐々木優子）

[編集] DVD

2002年9月

『ツイン・ピークス〜ローラ・パーマー最期の7日間』発売。映像特典としてメイキング等が収録されているが、本編がPALマスターのためランタイムが短くなっている。

2002年11月

パイロット版とファースト・シーズン（エピソード1～7）が、5.1chサラウンドで収録された4枚組DVDボックス発売。

2007年6月

ファースト・シーズンから順次レンタル開始。セカンド・シーズンからはデジタル・リマスターが使用されている。

2007年11月

セカンド・シーズンをエピソード8～18とエピソード19～29の2つのボックスに分けて発売。
同日、『ゴールド・ボックス』も発売。パイロット版を含む全てのエピソードを収録した10枚組。映像特典はシーズン別ボックスに収録されているものとは異なり、パイロット版のヨーロッパ版エンディングやジョージアのCM等がこのボックスのみに収録されている。ファースト・シーズンのデジタル・リマスター版が収録されているのもこのボックスのみ。
『ツイン・ピークス〜ローラ・パーマー最期の7日間』も同日に廉価版が発売された。この廉価版ではランタイムの問題は解消されたが、映像特典は未収録となった。

なお、デジタル・リマスターを制作した際に番組冒頭の「前回のあらすじ」が削除されたため、これが収録されているのは旧マスターのファースト・シーズンのボックス、及びレンタル版ファースト・シーズンだけとなった。

[編集] 外部リンク

• ツインピークスOfficial site パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパンによる公式サイト
• eiga.comTVシリーズ「ツイン・ピークス」 eiga.comTVシリーズによる「ツイン・ピークス」サイト

• Official Fansite