チャッキラコ
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チャッキラコは、神奈川県三浦市三崎の仲崎・花暮地域に伝わる小正月の伝統行事。浜の乙女たちが繊細かつ優美な舞を神前に奉納し、正月の到来を祝う祭礼である。参加資格は女性のみが持つ。1975年(昭和50年)の文化財保護法改正によって制定された重要無形民俗文化財の第1回指定を受けた。
[編集] 概要
踊り手は、おおよそ幼稚園の年中児~小学6年生の女の子である。晴着姿で1本(「二本踊り」では2本)の扇を手に舞を踊る。また、20cm くらいの竹の両端に五色の紙を細く短冊に切り、小さな鈴をつけた「チャッキラコ」と呼ばれる綾竹を持って踊る曲目が1曲あり、名前の由来となっている。楽器による演奏はなく、音頭取りと呼ばれる女性たちの唄にあわせて踊る。曲目は「初いせ」「ちゃっきらこ」「二本踊り」「よささ節」「鎌倉節」「お伊勢参り」の6曲からなり、全てを総称して「チャッキラコ」と呼ばれる。
毎年、1月15日に行われ、午前10時頃に海南神社の神主からおはらいを受けた後、家内安全・商売繁盛・大漁祈願などの願いを込め踊りを奉納、その後衣装を水干、烏帽子に緋の袴に替えて仲崎と花暮の竜神様の前で踊りを奉納する。午後からは、夕方まで商店などの家々を踊ってまわる。
浜の乙女たちが唄にあわせて綾竹や扇を手に踊る姿は見るからに愛らしく、毎年多くの見物客を集める。
[編集] 歴史
起源には定説はないが、江戸時代中ごろには既に大漁祈願の祝いの踊りとして行われ、現在まで続けられている。海南神社の祭神藤原資盈の奥方盈渡姫が村の娘に教えたという伝説も伝わっている。三崎に来遊していた源頼朝が、海辺で磯取りをしていた親子連れの女に踊りを所望したところ「私は年老いたので代わりに娘に踊らせましょう」と、小竹を持って娘が踊り、母が歌ったともされている。