チズガメ属
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?チズガメ属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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クロコブチズガメ Graptemys nigrinoda |
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種の保全状態評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ワシントン条約付属書III類 (アメリカ合衆国) |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
チズガメ属(地図亀属、Graptemys)は、爬虫綱カメ目ヌマガメ科に属する属。模式種はヒラチズガメ。
目次 |
[編集] 分布
アメリカ合衆国、カナダ南部
[編集] 形態
雌雄で大きさに違いがあり、メスの方が大型で種によってはオスの2倍以上の大きさになる。
背甲の甲板に入る模様が地図の等高線のように見えることが名前の由来とされている。背甲には筋状の盛り上がり(キール)が発達する種もいて、中には棘状や瘤状になる種もいる。
属内でも頭部が大型化する種と、さほど大型化しない種に分けられる。前者は貝を主食(特にメスの成体)とし、頭部の大型化は貝を噛み砕くための適応と考えられている。(貝を主食とするカメで頭部が大型化する種は多い。)後者は昆虫や魚を食べる肉食性、もしくはそれに加えて水草等も食べる雑食性であまり堅いものを食べないため頭部を大型化する必要がなかったと思われる。 四肢には水掻きが発達し泳ぎはうまい。
[編集] 生態
河川や湖、池沼等に生息する。流水を好み、さらに一部の種では底質が石灰岩で弱アルカリ性の水質を好む。水棲傾向が強いが日光浴も好む。
食性は動物食の強い雑食で、昆虫類、甲殻類、貝類、魚類、水草、藻類等を食べる。繁殖形態は卵生。
[編集] 分類
- Graptemys caglei ケイグルチズガメ Cagle's map turtle
- Graptemys barbouri バーバーチズガメ Barbour's map turtle
- Graptemys ernsti アーンストチズガメ Escambia map turtle
- Graptemys flavimaculata キマダラチズガメ Yellow-blotched sawback turtle
- Graptemys geographica ヒラチズガメ Common map turtle
- Graptemys gibbonsi ギボンズチズガメ Pascagoula map turtle
- Graptemys kohnii ミシシッピチズガメ Mississippi map turtle
- Graptemys nigrinoda クロコブチズガメ Black-knobbed map turtle
- Graptemys oculifera ワモンチズガメ Ringed sawback turtle
- Graptemys ouachitensis フトマユチズガメ Ouachita map turtle
- Graptemys pseudogeographica ニセチズガメ False map turtle
- Graptemys pulchra アラバマチズガメ Alabama map turtle
- Graptemys versa テキサスチズガメ Texas map turtle
[編集] 人間との関係
生息地では食用とされている種もいる。開発による生息地の破壊や、食用やペット用の乱獲等で生息数が減少している。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。しかし2006年に属単位でアメリカ合衆国の個体群はワシントン条約付属書III類に属単位で掲載された。そのため流通量は激減し、現在は日本国内での繁殖個体が主に流通し、流通量も少なくなった。「グレーマップタートル」や「ハイイロチズガメ」の商品名として販売されることもあるチズガメ属の3種(ミシシッピチズガメ、フトマユチズガメ、ニセチズガメ)は環境の変化に強く丈夫なため、日本では定着の恐れがあるとして要注意外来生物に指定されている。主に河川に生息し遊泳性が強いため、大型のケージを用いることで豊富な水量を確保したアクアリウムで飼育される。また川の流れを再現するためポンプを使い、ケージ内に水流を作ることもある。また一部の種では底砂や濾過漕にサンゴ砂を用いて、pHを中性から弱アルカリ性に傾けた方がよいとする説もある。
[編集] 関連項目
- ヌマガメ科
- アミメガメ亜科