チキタ★GuGu
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『チキタ★GuGu』は、漫画家TONOによる漫画。朝日ソノラマ「ネムキ」誌の1997年9月号から2007年5月号にかけて連載された。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
不可思議な力を持ち、ときに人間を脅かす「妖(あやし)」と呼ばれるものたちが存在する世界。 あやし退治や護符書きなど「あやしい屋」を生業とするグーグー家の最後の一人チキタは幼いころに妖によって家族を殺された。 ある日チキタ・グーグーの前に、変幻自在の人食い妖ラー・ラム・デラルが現れた。 ラーによればチキタは「不味い人間」であり、人食い妖にとっては舐めただけでも猛毒になる特異体質らしい。 ただし不味い人間を百年間飼育すると毒はなくなり非常に美味しくなるのだという。
かくして、ラーとチキタの「共に過ごす100年」が始まった。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- チキタ・グーグー
- 妖や魔術を扱う「妖しい屋」の名家グーグー家の少年。しかし、赤ん坊の頃にラー・ラム・デラルによって他の家族を殺されてしまったので、家業に関する知識は特に無い。人食いの妖にとって「死ぬほど不味い(比喩ではなく、その血の一滴、涙一粒すら妖には猛毒となる)」という特異体質の持ち主であったため殺されずに済んだが、それゆえにラーとの奇妙な同居生活を始めることになった。
- ラー・ラム・デラル
- 変化術に長けた強力な人食いの妖。赤ん坊の頃のチキタに出会い、「不味い人間を百年間育てると至上の美味になる」という人食い仲間での風説に従って彼を飼育することに決めた。変化術で人間を騙しておびきよせて食べることを得意とするが、人間の深い心理は理解しておらず、人間をコミュニケーションの対象と考えてもいなかった。
- クリップ
- チキタとラーの前に現れた謎の少年。「人食い」を名乗り、妖術すら使うが、実は妖ではなく人間である。チキタ同様、妖にとって「不味い」体質を持つ。戦乱で食料の不足した土地に生まれ、死んだ兵士の遺体を常食としていた。その事実が露見して迫害され、死を望んで妖の棲むという山に入ってオルグと出会う。オルグとの「百年」を経て、不老の体質と妖術を得たが、自分を食べることなく衰弱してしまったオルグを救うために旅をしている。
- オルグ
- 黒い体毛と二股の尻尾を持つ、イタチのような小動物の姿をした妖。姿は小さいが強大な力を持つ。300年前にクリップと会い、彼を百年間飼育したが、その間に情が移って彼を食べられなくなってしまった。クリップが自分と共感し、人間の生き方から外れていることを心配している。
[編集] 人間
- ハイカ
- チキタの幼馴染。面倒見の良い優しい性格。妖しい屋に関する知識は特に持っていない。家族を皆殺しにされた幼いチキタが彼女の家に引き取られたため、チキタと姉弟同然に育った。
- ニッケル・シャンシャン
- 「妖しい屋」シャンシャン一族の娘。強い男の子が次代の長になる一夫多妻制のシャンシャン一族の中で、ニッケルを溺愛する母親によって男の子として育てられた。ある事件を機に女性であることが露見すると立場を失い一族の男たちから陵辱を受けた。
- キサス・シャンシャン
- ニッケルの異母兄弟。ニッケルが一族を追われた後は跡継ぎの最有力候補となった。
- バランス・シャンシャン
- ニッケルやキサスの異母姉弟。モロン朝廷の異変を探るために送り込まれる。本人いわく、術の才能はないが危険を察する直感に優れている。普段は糸目だが、“戦闘用”の顔になると大きく目を見開き、強い術を振るう。
- サデュース・ザイセル
- 「妖しい屋」ザイセル一族の跡継ぎ娘。言霊の術を得意とする。7年前に一族の住んでいた土地で住人が全滅する怪異が発生したとき、父親と旅に出ていて命拾いした。その後、クリップがこの怪異の首謀者であることを突き止めて彼を追っている。
- パイエ
- 娼婦として育てられた盗賊の娘。体には生まれつき痛覚がなく善悪の観念が欠如している。サデュースの兄クラフトと付き合っていたことがあり、妖術に関する知識を持っている。
- ペトラス・モロン
- 本作の舞台となっている地域を治めるモロン朝廷の皇帝。温厚で気さくな老人。自分の死とともに、自分の蓄えた統治のための知識や経験が失われることを恐れて、国中の妖しい屋を集めて延命の研究をしている。
- ダムダム・グーグー
- 500年ほど前のグーグー家の人間。チキタの先祖に当たる。妖作りの名人で、当時の皇帝の元で不老不死の研究をしていたが、謎の失踪を遂げた。
[編集] 妖
- シャルボンヌ
- 水玉模様の熊の姿をした妖。人間の汗や体臭が染み込んだ布を食べる「布食い」。毛皮を水玉に染めている染料には有毒な物質が含まれているが、当人は気付いていない。
- ギスチョ
- 一つ目の凶暴な妖。人間に対して強い憎悪を燃やしている。チキタを養育して食べるのではなく、他の妖に対する毒物として利用することを思いつく。
- カナヤン
- 緑の肌に大きな赤い目をした人食いの妖。第一話でチキタの涙を舐めてしまったために中毒を起こして死んだ。しかしその後なぜかラー・ラム・デラルの夢の中にたびたび姿を現す。
- チョロル
- 巨大な猫のような姿をした妖。かつてオルグと共に暮らしていたが、クリップを食べようとして死んだ。なぜかラー・ラム・デラルの夢の中にたびたび姿を現す。
[編集] 単行本
朝日ソノラマ「眠れぬ夜の奇妙な話コミックス」より刊行。
- 1巻 ISBN 4257904003
- 2巻 ISBN 425790447X
- 3巻 ISBN 4257904526
- 4巻 ISBN 4257904690
- 5巻 ISBN 4257905220
- 6巻 ISBN 4257905670
- 7巻 ISBN 4257905776
- 8巻 ISBN 4022131179 (最終巻)