チェビシェフ方程式
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チェビシェフ方程式(-ほうていしき)は、以下のように表される2階線形常微分方程式である。
ここでpは実定数である。方程式の名称は、ロシアの数学者パフヌティ・チェビシェフにちなむ。
冪級数解を
とすると、各係数は以下のような漸化式を満たす。
上述の級数は漸化式に対してダランベールの収束判定法を用いることにより、x &isnin; [-1, 1] において収束することが示される。
漸化式は適当なa0およびa1を初期値とすることができるので、2階微分方程式に対して解の2次元空間が導かれることになる。
a0 = 1,a1 = 0のとき、解は以下のように与えられる。
またa0 = 0,a1 = 1のときは以下のようになる。
一般解はこの2つの関数の線形結合で与えられる。
pが整数であるとき、2つの関数のいずれか一方はたかだか有限個の項しか持たない。pが偶数ならFの、pが奇数ならGの項がたかだか有限個である。このとき、有限個の項からなる関数は(当然ながらいたるところ収束する)p次多項式となり、この多項式はチェビシェフ多項式に比例する。すなわち、
- (pが偶数の場合)
- (pが奇数の場合)