ダイナミックパッケージ

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ダイナミックパッケージ(略称DP)とは、欧米のオンライン旅行会社が2002年頃からサービスを開始している航空機をはじめとする交通手段とホテルなどの宿泊施設を所定の範囲内で自由に選択できる旅行予約システム。

日本では住友商事系のグローバルトラベルオンラインが2005年10月に初参入し(但し海外旅行に取扱が限定されている)、国内旅行ではジェイティービーが2006年3月に「組み立て旅行」の商品名でリリースすると、他社も追従するようになっている。日本では手配旅行に形態が類似しているが、募集型企画旅行とする(主催)旅行会社が多い。

[編集] 概要

顧客が主催旅行会社のWebサイトで、出発地・目的地・日程・人数を入力し検索すると、旅行会社自身の予約システムおよび提携している複数または単一の企業(旅行会社・格安航空券販売旅行会社・航空会社・宿泊予約サイトなど)の予約システムから条件に合った内容が自動照会(ロボット検索)され、その照会内容から価格の安い順などに並べられた検索結果より顧客の判断で比較選択し、申込みと決済が大概Web上で完結するものである。航空券については顧客に予め現物を配送や空港・旅行会社窓口で手渡すケースと、eチケット(チケットレス)方式の二通りがある。

交通手段が航空機であれば、(日本発の海外旅行の場合)包括旅行者運賃/格安航空券やPEX運賃などを取り扱えるのが最大の特徴であり、所謂自由旅行よりも安く済む可能性が高いのが利点である。

[編集] パッケージツアーとの違い

ダイナミックパッケージは、従来のパッケージツアーのネット予約とは異なる概念である。 正確な定義は以下4つであり、欧米のダイナミックパッケージサイトは全てこれらを満たしているが、日本では主催旅行会社によって海外・国内のどちらかに取扱が偏っている(限られている)ため、以下全てを満たすとは言い切れていない。

1. 各コンポーネントの手配を一気に、自動で行う:交通機関 宿泊施設 その他必要なもの（レンタカー、現地ツアー等）をシステムが自動で予約する（サービス会社側で電話やファックスの手配などの人手を介さない）。
2. 可能な限りの選択肢を与える:出発地点から目的地点への出来る限りすべての交通機関を提供する。目的地点での豊富な宿泊施設の提供する。
3. 自由でダイナミックな旅程を可能とする:複数都市訪問や台北2泊バリ4泊等従来のパッケージツアーにない旅程の実現。1泊～30泊などの設定や2名一室や1名一室、子供添い寝などの選択。
4. ダイナミック（動的）な料金設定:固定的な価格でなく、弾力的な価格（毎日価格が異なる）。日程により刻々と変化する料金表示を人手を介さずダイナミック（動的）にシステムで実現する。また、航空券とホテルのバラ手配の価格より安くすること。

[編集] 日本での状況

日本では既にフリープランが浸透している事とWeb上での申込みに限定される点から、広く知られているものではない。海外旅行の場合、従来の旅行プランでは設定がない行先やホテルでも幅広く選択できたり、格安航空券を積極的に扱う事で費用が安く済むなどして旅慣れた者にはベネフィットがあるが、空港からホテルまでの送迎が原則無い事を留意する必要がある。

現況では、主に海外旅行か国内旅行のどちらか一方を取り扱う旅行会社が多い。海外旅行は航空券の供給状況によって雪崩の如くプライスダウンするなど価格競争が活発で予約システムの比較対象が多く有利である一方で、国内旅行では航空会社の個人包括旅行者運賃やJR等の鉄道運賃(企画乗車券)が一定となっており、それに宿泊費を上乗せして販売することから、どの旅行会社でも同一条件であれば価格が横並びまたは僅かしか差が無い事が多い。それどころか却って宿泊費で比較的優位であるフリープランより割高な場合もあるため、国内旅行のダイナミックパッケージでは海外と同等に、周遊旅行を想定してオープンジョーや一泊毎に宿泊施設が選択可能であったりする。