タルボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
- 東海楽器社製のエレクトリックギターの名称。以下本稿参照。
- タルボ (自動車)(Talbot)：英国発祥、のち英仏両国で企業活動した自動車メーカーのフランスでの名。Talbotのフランス語読み。英国ではタルボットとよばれる。日本ではどちらの国の車種かにより呼称が異なる。
| Talbo タルボ | |
|---|---|
| メーカー/ブランド | 東海楽器/Tokai |
| 製造時期 | 1983年9月 – |
| 構造 | |
| ボディタイプ | アルミ鋳造 |
| ネックジョイント | ボルト・オン |
| 材質 | |
| ボディ | アルミニウム合金 発泡ウレタン |
| ネック | メイプル |
| フィンガーボード | ローズウッド |
| 電気系統 | |
| ピックアップ | 2基のハムバッカーまたは3基のシングルコイル |
| コントロール | 1トーン、 1ボリューム、 3ポジション・セレクター・スイッチ |
| テンプレート | カテゴリ | |
タルボ（ Talbo，T-ALLOY-BODY の略）は、1983年から東海楽器社が製造しているエレクトリック・ギターの機種。ボディがアルミニウム合金製であることが特徴。
目次 |
[編集] 解説
1983年、それまでフェンダーとギブソンのコピー・モデルを中心に製作・販売していた東海楽器は、自社オリジナルのエレクトリックギターとして独自のボディ・シェイプを持つ Talbo を発表した。この Talbo は、クイック・レスポンス、ロング・サスティーン、ノイズレスの目的でボディの素材をアルミニウム合金にするという極めて斬新かつ先鋭的なギターであった。（ギターの素材は木材が一般的であるが、東海楽器は他にもカーボン・ファイバーを素材とした MAT を発表している。）
当初は2プライ構造で、上下に分かれた砂型に800℃以上の溶けたアルミニウムを流し込んで鋳造したものを重ねて溶接し、中空ボディの中には、発泡ウレタンを注入していた。やがて溶接のない1プライ構造のエレクトリックベース Talbo Bass も発表した。
しかし当時は、期待以上の人気を得ることができず、1980年代 Talbo は1,300本程度（ショップ・カスタムを含んだ総計でも 2,000 本程度）しか出荷されなかった。やがて東海楽器自体の経営悪化から Talbo も生産が中断された。
1990年代に入り BUCK-TICK の今井寿が使用し始めたことにより再び注目を浴び、1994年に三鷹楽器が東海楽器にストックされていた1980年代製ボディから復活させ販売。この売れ行きが好調だったことから1996年に東海楽器が生産を再開すると、GLAYの HISASHI と CAP-INA とのコラボレーションで “TALBO Secret Factory” が始動され、この中で更に斬新さが磨かれていくことになった。
アルミ・ボディが特徴の Talbo だが、1980年代当初よりショップ・カスタマイズ・モデルに木材ボディのものが存在する。 Talbo TG シリーズや TARBOSAURUS （ TALBO Secret Factory ）、シェイプが異なる Talbo Woody I 、 Talbo Woody II などもボディが木材である。90年代より多くのカスタマイズ・モデルや派生モデルがあり、また、アクリル製で透過性のあるボディのモデルもある。
2006年8月現在、国内では池部楽器と神田商会がライセンス販売している。
2007年より国内販売のモデルから Tokai ブランドから Talbo ブランドになった。
[編集] モデル
[編集] Tokai
| 出荷時期 | モデル | パーツ色 | ネック | ボディ色 | 価格 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メイプル・ローズ指板 | メイプル1ピース | ||||||
| 1983年9月 | ピックアップ | ||||||
| ハムバッカー P1-26BB×2 | シングル・コイル P2-71B×3 | ||||||
| ブリッジ | |||||||
| トレモロレス・オリジナル | 2点支持式トレモロ・ユニット | ||||||
| A-80 | クローム | A-80D | A-80S | PW BR |
80,000円 | ||
| A-100 | ゴールド | A-100D | A-100S | BB GM FR FB |
100,000円 | ||
| A-150 | アンティーク | A-150D | A-150S | DGS BRS BSS |
150,000円 | ||
| 1985年 | ピックアップ | ||||||
| ハムバッカー P1-26CrB×2 | シングル・コイル P2-71B×3 | ||||||
| ブリッジ | |||||||
| Ayer's Rockers I | |||||||
| AX80 | クローム | AX80D | AX80S | PWR BRR BBR |
80,000円 | ||
| AX100 | クローム | AX100D | AX100S | CRMR | 100,000円 | ||
| AX110 | ゴールド | AX110D | AX110S | GOLR | 110,000円 | ||
| 1987年 | ブリッジ | ||||||
| Ayer's Rockers V | |||||||
| TF80 | TF80S | BBR | 80,000円 | ||||
PW（パール・ホワイト）BR（ブレイジング・レッド）BB（ブラック）GM（ゴールド・メタリック）FR（フレーク・レッド）FB（フレーク・ブルー）DGS（サンバースト）BRS（サンバースト）BSS（ブラウン・サンバースト） PWR（パール・ホワイト）BRR（ブレイジング・レッド）BBR（ブラック）CRMR（クローム）GOLR（ゴールド）
| 出荷時期 | モデル | ピックアップ | ボディ色 | 価格 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1997年 | A-150 | SSH | ANV | 150,000円 | 東海楽器創立50周年 Talbo |
| 1997年半ば | A-123 | SSS | MB（メタリック・ブラック） SG（シルバー・グレー） |
123,000円 | |
| A-130 | SSH | クローム・プレート | 130,000円 | ||
| A-145 | SSH | 145,000円 | |||
| A-173 | SSH | 173,000円 | |||
| A-180 | SSH | 180,000円 |
[編集] 派生モデル
- Talbo Bass
詳細はTalbo Bassを参照
- Talbo と同じくアルミニウム合金のボディで製作されたエレクトリック・ベース。東海楽器製造社は、この Talbo Bass で初めて溶接のない1ピースの一体成形のボディを実現した。
- Talbo Jr.
詳細はTalbo Jr.を参照
- 電池を使用するアンプ・スピーカー内蔵のエレクトリック・ギター。ボディは小型だが、ミディアム・スケール。 Talbo Secret Factory では「仔タルボ」としてカスタマイズされているモデル。
- Blazing Fire
詳細はBlazing Fireを参照
- シェイプは Talbo と同じだが、透明なアクリルを素材として使用したエレクトリック・ギター。
- Talbo Woody
詳細はTalbo Woodyを参照
- 木材の Talbo 。シェイプも Talbo とは異なる。スキャロップ・ホロー構造というセミホローのエレクトリック・ギター。
- Talbo Jupitar
- Talbo TG
[編集] 三鷹楽器
[編集] 池部楽器
[編集] TARBOSAURUS
[編集] 現行
- Tokai（海外向け）
- A-123 CAR（レッド）
- A-150SH MB-H（メタリック・ブラック）マッチング・ヘッド
- A-145SH NP
- A-150SH MW-H（メタリック・ホワイト）マッチング・ヘッド
- Blazing Fire See-Thru Red & Blue（ボディ：アクリル）
- Talbo Woody
- Talbo Bass:B-124 B-135
- 神田商会
- Z-Talbo シリーズ
- Z-Talbo Jr.、ZT-2500 SSH
[編集] 使用ミュージシャン
- ティム・ファリス（ Tim Farriss ）INXS
- HISASHI（GLAY）
- 平沢進（P-MODEL）
- Hackai（元：有頂天）
- フクスケ（メトロノーム）
- 今井寿（BUCK-TICK）
- 田中一郎
- アール・ケイト
- ちわきまゆみ
- ホッピー神山
- 岡野ハジメ
