スロー・ラーナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
スロー・ラーナー(SLOW LEARNER)はトマス・ピンチョンによる初期の作品を集めた短編集。1984年発表。
『重力の虹』(1973年)以降、十年以上新作のなかったピンチョンが、自己の思い出と作品批評を交えた序文を付して五つの作品をまとめ上げたもの。「SLOW LEARNER」とはいわゆる「学びの遅い子」の意味であるが、事実ピンチョンは収録された作品群に対して厳しい評価を下している。
収録作品は以下のとおり:
- 少量の雨 (The Small Rain)
- 低地 (Low-Lands)
- エントロピー (Entropy)
- 秘密裏に (Under the Rose)
- 秘密のインテグレーション (The Secret Integration)
このうち「秘密裏に」は後に書き直され、「V.」の第三章となっている。
ピンチョン初期作品は他にコーネル大学時代Epoch誌に掲載された短編「Mortality and Mercy in Vienna」が存在するが、この短編集には収録されていない。日本では邦題「殺すも生かすもウィーンでは」として『競売ナンバー49の叫び』に収録されている。