スロバキア貨物鉄道会社
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スロバキア貨物鉄道会社(鉄道企業体カルゴ・スロバキア株式会社。スロバキア語:ZSSK Cargo/ZSCS,Železničná spoločnosť Cargo Slovakia,a.s.)は、スロバキアの国有企業。2002年にスロバキア国鉄(ŽSR)の列車運行事業を継承した旧・スロバキア鉄道会社(鉄道企業体株式会社。スロバキア語:ZSSK,Železničná spoločnosť,a.s.)の再分社化(2005年1月1日)にともない、同社の貨物列車運行事業を継承している。
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[編集] 概要
旧・スロバキア鉄道会社(旧ZSSK)の貨物部門売却に備えて2005年1月1日に行われた再分社化に伴い、同社の貨物鉄道事業を継承し民間に売却することを目的に発足した国有の株式会社である。2005年12月現在の職員数は1万1856人。
国内の貨物列車運行事業のほか、貨物自動車輸送、貨車のレンタル、保守事業などを行っている。車両の保守管理、物流などのサービスに関してISO9001:2001と同9001:2000を取得している。
2005年の貨物輸送実績は4774万5100トンで、前年を4.6%下回った。国内貨物は690万4400トン(前年比4.6%減)、輸出貨物は1168万5600トン(同8.1%減)、輸入貨物は1782万4800トン(同5.7%減)といずれも減少したが、通過貨物は経済発展が本格化しつつあるウクライナ方面とEU諸国間との貨物輸送が増えていることから、前年を4.0%上回る1133万300トンに達した。
スロバキア国内ではほかに、ブラチスラヴァ地域鉄道線会社(BRKS)、USスチールコシツェ(旧・東スロバキア製鉄コシツェ工場)、LTEスロバキア(オーストリア企業)などの民間企業が貨物列車運行事業に進出している。
[編集] 民間売却の凍結とČD Cargoの参入
ズリンダ政権は2005年8月にZSSK Cargo売却の第一次入札を実施した。2006年2月に行った最終入札には米国系Cargo Central Europa、ハンガリー国鉄(MÁV)系Carpathian Cargo、オーストリア国鉄(ÖBB)系Rail Cargo Austriaの3コンソーシアムが参加し、Rail Cargo Austriaが事実上落札した。政府は売却益を150億~200億スロバキアコルナと見込んでいたが、同年6月の総選挙でズリンダ政権が退陣したことを受け、売却は凍結された。
その後2007年10月に新たにチェコ貨物鉄道(ČD Cargo)が入札に参入。歴史的経緯から他の事業体と比較してZSSK Cargoとの共通性が極めて高いため、両国の貨物鉄道事業の国際競争力を維持できる選択肢として、運輸郵政通信省はČD Cargoへの売却に前向きの姿勢を示しているが、スメルと連立政権を組んでいる旧政権党の民主スロバキア擁護運動(ĽS-HZDS)は反対している。
[編集] 保有車両
すべてスロバキア国鉄から継承したチェコスロバキア国鉄時代の車両およびその更新車である。2007年現在の標準軌用機関車は、電気機関車238両(直流機134両、交流機81両、交直流機23両)、ディーゼル機関車439両(電気式416両、液体式23両)。広軌用機関車は、電気機関車21両(すべて重連形)、ディーゼル機関車23両(すべて電気式)である。
[編集] 関連項目
- スロバキア国鉄の車両一覧
- スロバキア国鉄(ŽSR)
- スロバキア鉄道会社 (旧)(旧ZSSK)
- スロバキア鉄道会社(ZSSK)
- ブラチスラヴァ地域鉄道線会社(BRKS)
[編集] 外部リンク
- スロバキア貨物鉄道会社(ZSSK Cargo)(スロバキア語・英語)