ジョージ・アレック・エフィンジャー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
ジョージ・アレック・エフィンジャー(George Alec Effinger, 1947年1月10日 - 2002年4月27日)は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド生まれの小説家、SF作家。日本への紹介がなされ始めた1970年代には「エフィンガー」と表記。
デビュー作から評価が高くネビュラ賞、ヒューゴー賞、ジョン・W・キャンベル新人賞にノミネートされるが、長編では受賞にはいたらなかった。
21世紀の中東を舞台にしたマリード・オードラーンが主人公の三部作は、サイバネティクスによる電脳移植と擬似人格モジュールの挿入で個人の個性を変更できる世界で、暴力、麻薬、犯罪を扱ったハードボイルドなサイバーパンクで、彼の最も成功した作品として知られる。4作目となるはずだったNights of Doubt and Sorrowは2つの章が書かれ、Budayeen Nights(短編集)に収録された。
O・ニーマンド(O. Niemand)の筆名でのパスティーシュ小説や複数の筆名でSF以外の作品も創出している。
少年期からの持病は、長年の治療で巨大な医療費が必要となり、健康保険に加入していなかったため支払いが滞り、病院側は訴訟を起こし全ての版権の所有権を引き渡す要求をした。エフィンジャー医療基金などの助けにより、訴訟は取り下げられ、知的所有権を失うことは無かった。
目次 |
[編集] 略歴
- 1970年、クラリオンSF創作講座(Clarion anthology)に参加し小説を書き始める。
- 1971年、ファンタジックマガジン(Fantastic)に"The Eight-Thirty to Nine Slot"が掲載され作家デビュー。
- 1972年、最初の長編小説"What Entropy Means to Me"発表。ネビュラ賞にノミネートされる。
- 1974年、12才に罹った腹部腫瘍が再発し手術、入院。その後、数ヶ月おきに入退院を繰り返す。
- 1986年、自宅の火事で蔵書を含め全て焼失、第2度の火傷を負う。
- 1988年、『重力が衰えるとき』がヒューゴー賞にノミネートされるが、デイヴィッド・ブリンの『知性化戦争』に敗れ第2席となる。
- 1988年、『シュレーディンガーの子猫』(Schrödinger's Kitten)(中篇小説)がネビュラ賞を受賞。翌1989年、ヒューゴー賞、シオドア・スタージョン記念賞を受賞。
- 1990年、『太陽の炎』がヒューゴー賞にノミネートされるが、ダン・シモンズの『ハイペリオン』に敗れ第2席となる。同年、『重力が衰えるとき』の設定でPC-DOS版ゲームの"Circuit's Edge"が発売される。
- 1991年、『シュレーディンガーの子猫』(Schrödinger's Kitten)(中篇小説)が星雲賞を受賞。
- 1992年、ナイアガラ・フォールズSF協会によりエフィンジャー医療基金が設立される。
- 2002年、4月ルイジアナ州ニューオリンズで逝去。
[編集] 作品リスト
[編集] 長編
- What Entropy Means to Me (1972年)
- Relatives (1973年)
- Felicia (1976年)
- Those Gentle Voices (1976年)
- Death in Florence (1978年) (別題 Utopia 3)
- Heroics (1979年)
- The Wolves of Memory (1981年)
- The Nick of Time (1985年)
- The Bird of Time (1986年)
- 『重力が衰えるとき』 (When Gravity Fails) (1987年):浅倉久志 訳/ハヤカワ文庫SF
- Shadow Money (1988年):ミステリ
- 『太陽の炎』 (A Fire in the Sun) (1989年):浅倉久志 訳/ハヤカワ文庫SF
- The Zork Chronicles (1990年) :パソコンゲーム<Zork>のノベライズ
- 『電脳砂漠』 (The Exile Kiss) (1991年):浅倉久志 訳/ハヤカワ文庫SF
- Look Away (1990年) (novella)
- Nights of Doubt and Sorrow
[編集] 共著
- Nightmare Blue (1975年):ガードナー・ドゾワ(Gardner Dozois)との共作
- The Red Tape War (1990年):マイク・レズニックとジャック・L・チョーカー(Jack L. Chalker)との共作
[編集] ノベライゼーション
- 『新・猿の惑星/逃亡者人間』Planet of the Apes - Man the Fugitive (1974年)
- 『新・猿の惑星/明日への脱出』Planet of the Apes - Escape to Tomorrow (1975年)
- 『新・猿の惑星/決死の逃亡』Planet of the Apes - Journey into Terror (1975年)
- Planet of the Apes - Lord of the Apes (1976年)
[編集] 短編集
- Mixed Feelings (1974年)
- Irrational Numbers (1976年)
- Dirty Tricks (1978年)
- Idle Pleasures (1983年)
- Author's Choice Monthly Issue 1: The Old Funny Stuff (1989年)
- Budayeen Nights (2003年)
- George Alec Effinger Live! From Planet Earth (2005年)
[編集] 外部リンク
- Effinger on Science Fiction & Fantasy Writers of America site
- List of his publications on FantasticFiction.co.uk
- Tribute page that includes FAQ