ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日
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ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日(じゃいあんとろぼ・ちきゅうのもえつきるひ)は、原作:横山光輝・脚本:今川泰宏・漫画:戸田泰成による『ジャイアントロボ』の漫画作品である。秋田書店の月刊漫画雑誌『チャンピオンRED』に2006年11月号より連載されている(先行の読みきりプレビューが同年10月号に掲載、単行本では1巻に第0話「プロローグ」として収録)。
『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』とはストーリー・設定等が異なっている。本作でもスターシステムを採用しており、原作者、横山光輝の作品のキャラが多数登場するため、それらの横山作品や『静止する日』を鑑賞していれば、作中の意図やモチーフを把握したりできるといった当作ならではの楽しみ方ができる。特に注釈のないキャラクターの出典は「地球が静止する日」と同じ。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
主人公・草間大作は幼い頃、秘密結社BF団が進めていた「GR計画」の中心であるジャイアントロボの操縦権を父親である草間博士から託される。かつて世界が滅びかけた「地球が燃え尽きた日」から10年後、ジャイアントロボの力を巡る戦いに大作は巻き込まれていく事になる。
[編集] 登場人物
[編集] 村雨一家
国際警察連合のやり口をよしとせず、独自にBF団と戦う組織。国際警察連合の離反者が多い。原案は鉄人28号の村雨一家。
- 草間 大作(くさま だいさく)
- 本作の主人公。父・草間博士からジャイアントロボを託された少年。かつてBF団の庇護下にあったが、ジャイアントロボの操縦権をきっかけに離別することになる。
- お銀ちゃん(おぎん - )
- 本作のメインヒロイン。原案は短編「恋と十手とお銀ちゃん」に登場する同名キャラであるが、作中のポジションは『静止する日』の銀鈴に相当する。伸縮する十手を操る。性格はややお転婆色が強いようである。
- 村雨 竜作(むらさめ りゅうさく)
- 村雨一家の一番頭。元々は国際警察連合に所属していた人物で、九大天王にも並ぶ実力の持ち主であったとされている。腹部の晒やニッカポッカなどの服装や奇異な髪型、独特の言い回しはアクの強い印象がある。原案は鉄人28号の同名キャラ。
- 村雨 健次(むらさめ けんじ)
- OVA版同様、不死身の肉体を持っており、肉体が粉微塵になっても服ごと再生できる様な描写がなされている。しかし、これが本当にOVA版と同様の不死の能力であるのか、それとも自らの肉体を灰状に変化させる能力であるのかは今の所作中では明言されていない。無口な男。
- 十郎太、数馬、源太郎、霧丸、右門
- 村雨一家の構成員。原案は「伊賀の影丸」に登場した村雨五兄弟。十郎太は連絡用のハトを携帯している。
[編集] BF団
世界征服を企む組織。十年前に「草間博士の乱」で壊滅的被害にあったが、直後に草間博士によってもたらされた「GR計画」での再起をはかっている。
- ビッグファイア
- BF団のリーダー。セルバンテスが巡った多重世界では既に死亡していた。
- ロデム
- ビッグファイア三つのしもべの一つ。黒豹の姿をしており、人語を話せる。
- 策士・孔明(さくし・こうめい)
- 作戦立案などを担当している様子。『GR計画』をセルバンテスに任せていたのも孔明の計画によるもの。
- コ・エンシャク
- 二本の鞭を自在に使う。孔明の手のひらに乗るサイズにもなれる。
- 草間博士(くさまはかせ)
- 大作の父親で10年前"地球が燃え尽きた日"を起こした人物。大作にジャイアントロボの操縦権となるキーワードを伝えている。九大天王の幻妖斉とは過去に対BF団戦を科学技術主導にするか、呪術主導にするかで対立したという因縁があるらしい。
- フォーグラー
- カナダの新開拓地で、大作を庇護していた人物。
[編集] 十傑衆
- 幻惑のセルバンテス(げんわくの - )
- 十傑衆のひとり。“舞台演劇”という能力の使い手で、さらに多重世界(パラレルワールド)を移動できる。舞台演劇の力で草間大作にジャイアントロボの操縦権を放棄する“キーワード”を言わせようとしたが、大作が覚えていなかったため失敗。直後村雨竜作から致命傷を受け、アルベルトによって介錯された。草間親子とは親交が深かったようで、大作からは「バンテスおじさん」と呼び慕われていた。
- 衝撃のアルベルト(しょうげきの - )
- 十傑衆のひとり。衝撃波を操る。セルバンテスの盟友。サリーという名の娘がいる。
- 赤影(あかかげ)
- 版権の問題からかマスクザレッドではなく原作そのままの名前で登場。
- 暮れなずむ幽鬼(くれなずむゆうき)
- 激動たるカワラザキ(げきどうたる - )
- 白昼の残月(はくちゅうのざんげつ)
- 隻腕・盲目の謎の男。十傑集の中では一番の新参者であり、BF団ではそれを不服とする者も多い。包帯で覆われたその素顔に彼が十傑集入りした最大の理由が隠されているらしいのだが、その詳細は未だ不明である。『静止する日』と異なり顔の上半分に、覆面ではなく包帯らしきものを巻いている。『静止する日』では派閥的には樊瑞派であったが、当作ではアルベルトから「孔明の犬」と言われている。
- 混世魔王・樊瑞(こんせいまおう・はんずい)
- 単行本で名前が登場。
- 命の鐘の十常寺(いのちのかねのじゅうじょうじ)
- 10年前「草間博士の乱」の時は上海支部に居たが、完全にキレて目につくもの全てを破壊しようとしていた。偶然居合わせたお銀に襲いかかろうとした際に竜作と林冲に撃退される。
[編集] 国際警察連合
BF団の野望を阻止しようとする組織。目的の為には手段を選ばない非情な側面を持つ。
- 不乱拳博士(ふらんけんはかせ)
- 国際警察連合に協力しているようで、3体のブラックオックスを操っている。
- 呉学人(ごがくじん)
[編集] 九大天王
- 静かなる中条(しずかなるちゅうじょう)
- 九大天王のひとり。“ビッグ・バン・パンチ”という必殺技を持つ。『静止する日』の同名の技と異なり、威力はセルバンテスに防がれた程度だが、命と引き換えにはならぬようである。韓信元帥と共に行動し、ありとあらゆる手段で大作に協力を強いる。その腹黒く怪しい言動の数々から、ある意味BF団以上の悪役に見える。
- 影丸(かげまる)
- 無明幻妖斉(むみょうげんようさい)
- 呪術によって梁山泊の守りを固める。草間博士の項に有るとおり、国際警察連合の指針について草間博士と対立していた。この諍いが「草間博士の乱」の一因となったと幻妖斉は考えているが、真偽の程は不明。草間博士の息子である大作についても快く思っていない。
- ディック牧( - まき)
- 大塚署長(おおつかしょちょう)
- 韓信元帥(かんしんげんすい)
- つねに怪しく腹黒い笑みを浮かべている。中条と共に行動することが多い。
- 神行太保戴宗(しんこうたいほたいそう)
- 「世界の静止する日」では大作のよき兄貴分であったが、本作ではその役割を村雨竜作と豹子頭林冲に取られ、今のところ目立った活躍はない。“噴射拳”という技を持つ。
- あばれ天童( - てんどう)
- 九紋竜史進(くもんりゅうししん)
- 林冲の代わりに九大天王に加わった男。重要施設に立ち入れない等、九大天王として一人前の扱いを受けないことに対する苛立ちを隠しきれないでいた。
- 豹子頭林冲(ひょうしとうりんちゅう)
- 元九大天王で梁山泊の次期頭目と目されていた人物。十傑衆の罠にはまって死んだと思われていたが、実は重症を負いながらも生きていてカナーリの牢獄に捕らわれていた。中条や韓信とは違い、まともな性格。
[編集] 登場メカ
- ジャイアントロボ(GR・1)
- GR計画の本体。10年前に全世界を滅ぼしかけた“アンチエネルギー・システム”を搭載している。武装は両腕・頭部から発射する『光の球』。
- GR・2
- GR・3
- 以上2体は、BF団の所有するGR1の兄弟機。舞台演劇の世界においては国際警察連合によって完成前に破壊されてしまった。現実世界では林冲をめぐる攻防の最中、アルベルトに伴われ初めてその姿を見せたが、実はGR・1とともに運び出され、村雨一家の戦力となっており(さらにこの時点で国際警察連合が強奪済み)、GRシリーズによるコンビネーションを披露した。その後、大作達が気絶している間にGR・1共々鎖で梁山泊に拘束されてしまう。大作の"命令"で動いているため、操縦者に登録されているのは大作の模様。
- GR・2は両腕のロケットパンチや頭部の三日月形の装飾をブーメランとして使い、GR・3はミサイルと飛行しながらの格闘戦で戦う。
- ブラックオックス
- 不乱拳博士が操る3体の黒い人型ロボット。博士からは「オックス」と呼ばれている。
- マレーネ・ディートリッヒ
- マリア・カラス
- グレタ・ガルボ
- 以上3体は、国際警察連合の所有する同型の爆撃機。頭部から発せられる熱線(高熱放電)とミサイルが主な武装。モチーフは『バビルII世』に登場するロプロスのコピーロボット、V号。
- ガイアー
- 第一話冒頭、平行世界でGR・1と対峙していたロボット。GR・1と同様の光球を発し、物語の重要な役割を担っていると考えられる。
以下はBF団の所有する巨大ロボット。モチーフは『マーズ』に登場する六神体。
- スフィンクス
- 機体から数千度の高熱を発する。
- ウラヌス
- 絶対零度の冷気を操り、GR・1の光球攻撃への耐性がある。
- ウラエヌス
- OVA版では無く原作版の潜水艦型。水流を操る。
- サリー
- 形態は『マーズ』の三番目に登場する名称不明の神体。イナズマのような光線を放つ。"メカ『サリー』"と書かれているため、サリーとは娘の名前ではなくメカの名前と推測される。
[編集] キーワード
- 草間博士の乱
- 作中より10年前に草間博士がBF団に対して起こした乱。具体的にはアンチエネルギー・システムを世界中の都市に向けて発動したと思われる。結果、世界中の都市は機能を停止し、BF団も壊滅的な打撃を受け、隠居を余儀なくされた。セルバンテスは乱が起きた日を地球が燃え尽きた日と呼んだ。
- GR計画
- 草間博士の乱の直後に草間博士が赤ん坊の大作を連れ、BF団の潜む雪山を訪れた際にもたらした計画。本体はジャイアントロボの建造である。セルバンテスは計画を「草間博士の復讐」と評した。
- バリヤー(バリアー)
- 登場人物の多くやロボットが行使できる防御行動。自身を中心に光の球殻のようなものを張る。人物によって『バリヤー』と『バリアー』という呼称が混在しているが同一のものと思われる。バリヤー行使の可不可や強度、持久力などは当人の強さに依存するようである。熱線や、高所からの落下の衝撃、果てはジャイアントロボの光弾にも耐えられる反面、展開中の当人の戦闘力は激減してしまい、肉弾戦では不利になる。
- アンチエネルギー・システム
- 草間博士が開発し、ジャイアントロボに搭載した最強の武装。光弾と呼ばれるものを発射する。光弾は周囲の人間、ロボット等からエネルギーを吸収し無力化させた上で、巨大化、爆発する。そのため周囲の被害は甚大なものとなる。対抗手段はわずかながら存在し、無明幻妖斉は自身の寿命の大半を犠牲にして光弾を封印することで、梁山泊防衛に成功している。他にも、幼い頃のお銀がバリヤーによって生き残ったほか、ウラヌスはバリヤーや低音波動によって光球を防いでみせている。
[編集] 単行本
- ※ チャンピオンREDコミックス
- 第1巻 2007年3月20日刊行 ISBN 978-4-253-23231-9
- 第2巻 2007年9月20日刊行 ISBN 978-4-253-23232-6
- 第3巻 2008年3月19日刊行 ISBN 978-4-253-23233-3