ジゴキシン
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ジゴキシン(Digoxin,C41H64O14,分子量780.95)とは強心配糖体の1つ。ジギタリス属植物であるケジギタリス(Digitalis lanata)の葉から抽出される。ジゴキシンのアグリコン(非糖部)に相当する化合物はジゴキシゲニン(Digoxigenin)である。糖部であるジギトキソース(Digitoxose)は呈色反応であるKeller-Kiliani反応に対して陽性を示す。
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[編集] 薬理作用
ジゴキシンは細胞膜に存在するNa+,K+-ATPaseを阻害することによって細胞内Na+濃度の上昇をもたらす。Na+を細胞外へ排出するための代替的経路としてNa+-Ca2+-交換体が活性化され、その結果心筋細胞内Ca2+濃度の増加を引き起こし、心筋の収縮力の増加(陽性変力作用)、心拍数の減少(陰性変時作用)及び心筋における神経興奮伝導速度の低下(陰性変伝導作用)を引き起こす。主に狭心症及び心房細動に対して用いられる。但し、量が多すぎると副作用を引き起こす。副作用として嘔吐、不整脈などがある。
[編集] 体内動態
半減期は約36時間であり、臨床において通常1日1回125または250μgを投与する。消化管吸収は良好であり、経口,静注及び筋注による投与が可能である。腎排泄型の薬物であり、P-糖タンパク質(P-glycoprotein)により血中から尿細管へと分泌・排泄される。そのため腎障害の患者に対する投与は不適である。ジギトキシンは有効血中濃度範囲が狭く、臨床で用いるに際して血中濃度モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring;TDM)により解析を行う対象となる。
[編集] その他
アメリカでは看護士がジゴキシンを用いて患者を殺害する事件が起きている。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版社 1991年 ISBN 4885006104
- 高橋迪雄監訳 『獣医生理学 第2版』 文永堂出版 2000年 ISBN 4830031824
- 田中千賀子ら編集 『NEW 薬理学 第4版』 南江堂 2002年 ISBN 4524220836
- 大本太一ら編集 『天然物薬品化学』 廣川書店 1991年 ISBN 4567431022