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シリアルATA - Wikipedia

シリアルATA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シリアルATASATASerial Advanced Technology Attachment,しりあるえーてぃーえー,えすえーてぃーえー)とは、パソコンハードディスク光学ドライブを接続する為のインターフェース規格。

シリアルATAの信号ケーブル
シリアルATAの信号ケーブル
シリアルATAの電源ケーブル
シリアルATAの電源ケーブル
シリアルATA対応のハードディスク
シリアルATA対応のハードディスク
シリアルATA拡張カード
シリアルATA拡張カード

目次

[編集] パラレルATA(ATAPI,IDE)との違い

  • 信号経路のシリアル化。
  • ホットスワップへの対応。
  • 通信速度向上。UDMA6の133.3MBytes/secから150MBytes/secに。
  • ケーブル長が最大45.7cmから1mに。(外付け用の規格eSATAでは2m)
  • 信号の伝送に使用する電圧がパラレルATAの5Vから0.5Vに低下。これにより消費電力と信号の干渉の低減、ケーブル長の延長を実現している。
  • 80芯40pinコネクターのリボンケーブルが7pinのケーブルにされた。この為ハードウェア間でパラレルATA規格とシリアルATA規格に互換性はない(パラレルATAのM/BとシリアルATAのドライブ、またはその逆は接続出来ない)が、パラレルATA・シリアルATAの変換コネクターを用いれば接続は可能になる。
  • マスター/スレーブ接続の概念の廃止。1本のケーブルに1台のデバイスを接続するようになった。従来のパラレルATAのマスター/スレーブ接続を想定している、2003年以前に設計されたOSでは誤動作を起こす可能性があるが、インターフェースの齟齬をチップセットが吸収できる場合が多い。
  • USBと同様に、シリアルATA規格ではホストコントローラのレジスタインターフェイスは規格の範囲外である。ホストコントローラのAHCI規格はシリアルATAの規格範囲外である。パラレルATAでも明示的にレジスタインターフェイスが規定されていたわけではないが、規格内の「タスクファイル」がそのまま実際のレジスタとしてみることができる実装がほとんどであるため問題にならなかった。
  • リンクレイヤでは、パラレルATAの機能をほぼ同等に備える。そのためパラレルATAのレジスタインターフェイスをエミュレートするホストコントローラは比較的容易に実装できる。IntelのICHなどは実際にそのように実装されている。

[編集] シリアルATA規格について

旧規格であるATAの持つ、パラレル転送方式のインターフェイスでの転送速度向上が技術的に困難になってきた為、更なる転送速度向上が可能な規格として誕生。なお、当初はUltra SATA/150として最初の規格が発表された。

シリアルATA ワーキング・グループが2000年2月に発足。2000年11月にシリアルATA 1.0が発表された。この時に、2007年頃(シリアルATA III)までの大まかな開発予定も示された。

シリアルATA II ワーキング・グループの発足は2002年2月。後にSATA-IO(Serial ATA International Organization)へと改名。

シリアルATA IIという表記は当初、商品性能表記での混乱などもあり、特定の機能であるNCQや転送速度300MBytes/secを表す名前だという誤解があった。正しくはシリアルATA II ワーキング・グループが策定した(策定を目指す)規格全体の総称と考えるべきものである。2005年にはこのような誤解を避けるため、SATA1とSATA2を単一規格にまとめたSerial ATA2.5が発表された。

発売当初は形状の規格が混乱した状態にあった。その為当初市場に出回った非常に「抜け易い形状」のシリアルATAケーブルやコネクタが混在する点には注意が必要である。

[編集] シリアルATA 1.0 (S-ATA)

  • 150MBytes/secの転送速度を持つ。
  • Generation 1:1.5Gbit/sec 現行コネクタで対応
  • Generation 2:3.0Gbit/sec 現行コネクタで対応
  • Generation 3:6.0Gbit/sec 新しいコネクタで対応

[編集] シリアルATA II (S-ATA II)

Serial ATA 1.0aを基に拡張したもの。Serial ATA 1.0a策定後から2004年頃までにとりまとめられた技術的な拡張全体を指す。

  • NCQ(Native Command Queuing)やマルチポート等の概念を入れる
  • 15ピン電源端子にアクティブLEDやスピンアップ制御機能をオプション扱いで盛り込む
  • シリアルATA IIだからといって300MBytes/secという認識は間違い
  • インターフェイス仕様の統一の為AHCI(Advanced Host Controller Interface)という標準インタフェース仕様が規格化された。ATAエミュレートが不要な為性能も向上する。
  • 現在は Serial ATA II という表記は誤解を招く為に廃止、Serial ATA 2.5が発表された
  • 2007年2月15日付けでSerial ATA Revision 2.6がリリースされている

[編集] シリアルATA III (S-ATA III)

2007年に制定予定。600MBytes/secに転送速度の増大を予定。

[編集] eSATA

External Serial ATAの略称。Serial ATA 1.0aの拡張規格で外付けドライブ向けに定義されたもの。小規模ながら既に対応した製品が流通している。

  • 誤接続を防ぐ為、eSATAのコネクター形状はシリアルATAのコネクター形状とは違うものになっている
  • 接続ケーブルの長さは最大2m
  • パソコンの電源を入れたまま、接続ケーブルを抜き差し出来るホットプラグに対応
  • 現在主流のUSB2.0接続の5倍の速度で通信可能。

[編集] eSATAと他の接続規格との比較

eSATA SAS PATA IEEE 1394b USB 2.0
実効速度 2.4 Gbit/s 3.0 Gbit/s 1064 Mbit/s 786 Mbit/s 最大480 Mbit/s
最大ケーブル長 2 m 6 m 46 cm 4.5 m

(最大長は72 m。ケーブル16本を使用し数珠繋ぎ接続をした場合)

5 m

(規格上では長さは規定されていない。遅延時間等で規定される)

外部電源 要(2008年後半に、信号ケーブルを使用して電力供給を行う仕様を策定予定) 一定条件下において不要 一定条件下において不要
ホットスワップ 不可
チャンネル毎のデバイス数 1

ポートマルチプライヤを使用した場合は1チャンネル(ポート)に15台の機器を接続することができる。
(ただし2006年11月現在で6台以上をサポートした製品は存在していない)

128

SAS Expanderを用いる事により1チャンネル(ポート)に約16000台の機器を接続することができる。

2 63 127

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ


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