シャドルー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャドルー (Shadaloo) は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の組織。
[編集] 概要
誘拐から要人暗殺まで、あらゆる悪に手を染める秘密結社で、本拠地をタイに置く。初出は『ストリートファイターII』。本作のボスであるベガはシャドルーの総帥であり、彼を含めた4人の格闘家を四天王と呼ぶ。ただし四天王は基本的に戦闘要員であり、実務はその下の戦闘員達が行っているようである。
組織の構成員は以下の手段で補充される。
- 世界各地で誘拐した民間人を洗脳する(ユーリ・ユーニほか)
- 名のある格闘家を勧誘する(バイソン・サガット等)。失敗に終わった場合、民間人同様に洗脳・改造する(メカザンギエフ・シャドウレディほか)
- クローン技術により生み出す(キャミィほか)
ごく稀に自ら志願する者(バーディー)もいるが、総帥であるベガの目に留まらない限りは狭き門といえる。ただし『ストリートファイターZERO』のダンのエンディングで彼のスカウトをするなど、ベガの格闘家に対する興味は気まぐれであるかのような描写も見られる。
また、末端の戦闘員とは別に、ベガの直属であるベガ親衛隊が存在する。親衛隊は確認されている限りすべて女性で構成され、それぞれが高い戦闘能力を有している。先述の人物ではユーリ・ユーニ・キャミィが親衛隊にあたり、13名(現存12名+キャミィ)の存在が確認されている。
『ストリートファイターII』の舞台となる格闘大会も戦闘員確保や敵対者抹殺のためにシャドルーが主催したものである。
空中要塞や涅槃仏を模した巨大ロボット等、一国に匹敵する規模の科学力、軍事力を持つ。主な資金源は麻薬であり、世界各国に巨大な麻薬シンジケートを築いている。麻薬の中には幻覚作用の他に、洗脳効果や肉体強化のよう副作用を持つ物まである。
バルログやバイソンなど腕利きのファイター達はシャドルーの運営する賭博試合に参加しており、『ストII』シリーズにおけるアメリカステージ(バイソン面)やスペインステージはその舞台会場であったとされている。
『ストリートファイターIII』では、既に春麗の手(脚)によって壊滅させられていることが分かるが、詳しい背景は分かっていない。
1994年版のハリウッド実写映画『ストリートファイター』では、東南アジアにある某軍事国家の名前(首都はシャドルーシティ)という設定になっており、幹部もザンギエフとディージェイに入れ替わっている。
[編集] 知名度
「秘密結社」と銘打たれてはいるが、特にコネクションを持たないバーディーのような悪人でも存在を知っていることから、アンダーグラウンドな世界では相応に認知されている模様。インターポール(春麗)やアメリカ軍(ナッシュ・ガイル)内部でもその存在は周知であり、重要な犯罪組織としてマークされている。だが民間人(さくら等)はその存在について(シャドルー自体かなり大規模に活動しているにもかかわらず)まったく知らないことから、何らかの報道管制が敷かれている可能性もある。
[編集] 関連のあるキャラクター
- リュウ - 格闘家としての潜在能力をベガに見込まれ狙われる。リュウも非人道的なシャドルーのやり方に強く憤る。また、リュウ自身も洗脳対象にされることがある。
- ケン - 劇場版『ストII MOVIE』や『ZERO3』では、洗脳されてリュウと戦わされる。『SVC CHAOS』では能力も強化された「洗脳されたケン」が登場。
- 春麗 - 麻薬捜査官であった父親の失踪に深く関わっている組織であり、彼女がインターポールに入るきっかけを作った。
- ブランカ - 母親と生き別れとなった飛行機事故が、『ZERO3』にてシャドルーによるテロが原因だったと判明。
- マイク・バイソン - 四天王のひとり。ただし金目当てであり、ベガへの忠誠心は薄い。
- バルログ - 四天王のひとり。ただし私欲(美の追求)のために所属しているため、協力的とは言いがたい。
- サガット - 四天王のひとり。だが、あくまでリュウと再び闘うチャンスを得るために四天王になっただけなので、最終的にはベガと決裂した。
- バーディー - ベガに代わってシャドルーの総帥になる野望の為に構成員となるが、ベガには全く相手にされていない。
- サンダー・ホーク - 父親をベガに殺され、部族の聖地を追われている。恋人のジュリアもさらわれた。
- キャミィ - 元は「キラービー」のコードネームを持つシャドルーの戦闘員。また、『ZERO3』ではベガの遺伝子を持つクローンだったという事実が判明。
- ユーリ - ベガ親衛隊の一人。サンダー・ホークの恋人ジュリアと同一人物とされる。
- ユーニ - ベガ親衛隊の一人。その他、月 (暦) の名を持つ親衛隊(全て洗脳された少女)がユーリとユーニも含め12人いる。
- アドン - ベガが目をつけているムエタイ戦士(特に面構えが気に入ってる模様)。『ストZERO』ではサガットを倒した直後に現れ、『ストZERO2』では乱入キャラとして登場、アドンをスカウトしようとする。アドン自身はベガのことを「クスリ売り」や「麻薬屋」と呼び、まったく気にかけていない様子。
- ダルシム - 愛象コダルの親をバイソンに殺害された。理由は不明。また、シャドルー製の麻薬で故郷の人々が汚染されたことも。
- ガイル - ベガに親友のナッシュを殺され、復讐に燃える。
- ナッシュ - 軍との癒着を秘密裏に捜査する。『ZERO』や『ZERO2』ではエンディングで襲われ、生死不明となる。
- ローズ - ベガはかつての同門(『ZERO3』では師)であり、倒すべき宿命の相手。
- 豪鬼 - ボス戦で乱入し、ベガを瞬獄殺で倒す。ベガにとっては因縁深き宿敵。
- プルム・プルナ - どのような関係かは不明だが、彼女の祖父がシャドルーと関係を持っている。また彼女自身も次期シャドルー幹部候補として目をつけられている(本人は知らない)。しかし彼女はいたって能天気でわがままな性格なのでとてもではないがいい人事とはいえず、プルムのエンディングでもそのことについて突っ込まれている。